ジャズヒーリング・ジャズ・ヴォーカル・ベスト18
ヒーリング・ジャズ・ヴォーカル・ベスト18
商品名 ヒーリング・ジャズ・ヴォーカル・ベスト18
発売日 2017年08月16日
商品コード DYCP-4056
JANコード 4560427436289
定価(税込) 2,200円
収録時間 73分39秒

ジャズのイメージである、「小難しくて」「激しくて」「マニアックな」「大人の男性限定」「酒場の」…etc. といったものとは一味違い、「初めてでも」「女性でも」「ファミリーでも」「リラックスして」気軽に楽しめ、心和らぐ、ソフトでエレガントな『癒し系ジャズ・ヴォーカル』の世界をご堪能ください。

現在90歳の今もなお現役で活躍する、グラミー賞常連の世界的歌手トニー・ベネットをはじめ、癒しの歌姫の代名詞ともいえる、イリアーヌ、ダイアナ・クラール、ジェーン・モンハイト、クレモンティーヌ、小野リサなど、きら星のごとく華やかな女性歌手たちも収録。


歌詞・解説付


収録内容


  1. 虹の彼方に/ジェーン・モンハイト

    映画『オズの魔法使』(1939年) の主題歌として紹介された曲。「虹の向こう、高い空のどこかに、いつか子守唄で聴いた国があるはず。虹の向こうの空はどこまでも青く、そこではどんな夢もかなうはず」。E. Y. ハーバーグが暗い世相の中で夢と希望を書いたこの歌詞とハロルド・アーレンによるメロディが、当時のアメリカでは国中で歌われたという。ここではモンハイトが、オーソドックスなジャズ・シンガーのスタイルでストリングスをバックにしっとりと聴かせてくれる。

    Over The Rainbow/JANE MONHEIT (Harold Arlen Edgar Yipsel Harburg)

  2. グッド・ライフ/小野リサ

    フランスのジャズ・ギタリストでシャンソン歌手でもあったサッシャ・ディステルが映画『新・七つの大罪』(1962年)のために書いた曲。翌年ジャック・リアドンが英語の歌詞を付けたことでジャズスタンダードとなった。日本を代表する世界的なボサノヴァシンガー/ギタリストの小野リサが、ストリングス・オーケストラをバックに、いつものポルトガル語(ブラジル母国語)ではなく、めずらしく英語で流麗にジャズを歌っている。

    The Good Life / LISA ONO (Jean Broussolle - Jack Reardon - Sacha Distel)

  3. シー/TOKU

    フリューゲルホーン奏者にして独特の甘いヴォイスで活躍しているTOKU。スティーヴィー・ワンダーのカヴァー集を発表するなど、従来のジャズ・ファン以外をも惹き付ける魅力と活動でジャズのすそ野を拡げ続けている。この曲はシャンソン歌手のシャルル・アズナヴールが1974年に発表したドラマティックなラヴ・ソングだが、映画『ノッティングヒルの恋人』(1999年) の主題歌となった、エルヴィス・コステロによるカヴァー・ヒットで知った方も多いだろう。

    She/TOKU (Charles Aznavour-Herbert Kretzmer)

  4. 君は我がすべて/カーリー・サイモン

    〈うつろな愛〉が1973年全米第1位を記録、ポップス界で大人気のサイモン。2005年発表で大好評となったジャズ・スタンダード集『ムーンライトセレナーデ』に収録のこの曲は、1939年にブロードウェイで上演されたミュージカル『VERY WARM FOR MAY』のためにオスカー・ハマースタイン2世(作詞)とジェローム・カーン(作曲)が書いたバラード。とても美しくユニークなコード進行を持つこの曲は、多くのジャズ・ミュージシャン達に取り上げられたが、ヴォーカル曲としての録音は意外に少ない。

    All The Things You Are / CARLY SIMON (Oscar Hammerstein II - Jerome Kern)

  5. コール・ミー/イリアーヌ

    コンテンポラリーなスタイルを持ったジャズ・ピアニストで、魅力的なボサノヴァ・シンガーとしても人気のイリアーヌ。ブラジル生まれの彼女、実はボサノヴァの生みの親=アントニオ・カルロス・ジョビンのバンドの最後のピアニストであった。ここでは、ペトゥラ・クラークのヒット曲〈恋のダウンタウン〉(1964年)の作曲者として知られるトニー・ハッチの書いた名曲を、爽やかなジャズ・ボッサ・テイストに仕上げている。故マイケル・ブレッカーによる、柔らかい音色で抑えたテナー・サックスのプレイも印象的。

    Call Me / ELIANE ELIAS (Tony Hatch - Rob Mathes)

  6. サムシング/トニー・ベネット

    1926年8月3日生まれのトニー・ベネットは今年(2017年)で91歳になるが、今も元気で張りのある歌声を聴かせてくれる。その姿はまさにヴォーカル界の奇跡だ。ベネットがコロムビアと契約したのは1950年だが、その後の活躍はご存じの通り。膨大な数の吹き込みがあり、レパートリーも幅広いが、これはビートルズ時代にジョージ・ハリスンが発表したナンバー。ロック/ポップスの名曲もベネットの手にかかれば渋いバラードになる。年季が入った円熟の味を堪能出来る。

    Something/TONY BENNETT (George Harrison)

  7. 帰ってくれたらうれしいわ/ジョー・スタッフォード

    1940年代半ばから50年代後半にかけて活躍。ジャズを中心に、ポピュラー・ミュージック、カントリー&ウエスタン、フォーク・ミュージックなど幅広いレパートリーで多数のヒット曲を放ったスタッフォード。この曲は、コール・ポーターが1942年に作詞作曲し、翌年封切られたコロムビア映画『サムシング・トゥ・シャウト・アバウト』 で主題歌として使われた。ヘレン・メリルの歌でおなじみだが、スタッフォードのヴォーカルも実に味わい深い。

    You'd Be So Nice To Come Home To / JO STAFFORD (Cole Porter)

  8. もしあなただったら/スティーヴ・タイレル

    ダイアン・キートン主演の映画「アニー・ホール』(1977年)で彼女自身が歌い、メグ・ライアン、ビリー・クリスタル主演の映画『恋人たちの予感』(89年)ではハリー・コニック・ジュニアが歌ったことで大変人気の曲。渋いダミ声で歌うタイレルは、1999年に50歳でデビューした超遅咲きのシンガー。長い間音楽業界でプロデューサーとして裏方を務めたことが、歌手としての魅力につながっている。

    It Had To Be You / STEVE TYRELL (Gus Kahn Isham Jones)

  9. ラヴ/ジョン・ピザレリ

    ピザレリはゴリゴリのジャズ・ヴォーカルではなく、ジャズ・フィーリングを湛えた粋な歌唱スタイルが人気で、ナット・キング・コールにも通ずるものがある。コールの代名詞であるこの曲は、生前の彼が残した最後のヒットとなった。「“L”は君がぼくを見つめる仕草のため。“O”はぼくが見つめる君だけのため。"V" は格別な気持ちを君に。“E”は誰よりも君を愛するってこと」。これは彼からの最後のメッセージでもあった。それを軽やかにスインギーに歌うピザレリのヴォーカルが見事だ。

    L-O-V-E/JOHN PIZZARELLI (Milt Gabler - Bert Kaempfert)

  10. 男と女/クレモンティーヌ

    この曲は1966年、クロード・ルルーシュが監督した同名フランス映画の主題歌で、監督との名コンビで知られるフランシス・レイが作曲。フランス生まれのボサノヴァ・ナンバーとして世界中で大ヒットした。ジャズ~ボサノヴァ~フレンチポップスのみならず、様々なジャンルを歌ってきたパリ生まれの女性シンガー、クレモンティーヌだからこそ、この選曲は間違いナシで、聴き心地よいカヴァーとなった。

    Un Homme et Une Femme (Sweet Jazz Version) / CLÉMENTINE (Pierre Barouh-Francis Lai)

  11. イースト・オブ・ザ・サン/ジョルジュ・アルヴァニタス feat.ケイコ・リー

    アルヴァニタスは、バド・パウエルやビル・エヴァンスに影響を受けたフランスを代表するジャズ・ピアニスト。1950年代から60年代にかけてはフランスに生活の拠点を移していた米国のジャズ・ジャイアンツ達と共演。その名を広めたものの、録音にはあまり恵まれなかった寡作家のピアノ弾きだ。その彼が1998年に来日し、東京でアルバムを1枚残したときにシンガーのケイコリーと吹き込んだのが、スイング時代に人気を博したこのラヴ・ソング。

    East Of The Sun / GEORGES ARVANITAS feat. KEIKO LEE (Brooks Bowman)

  12. あなたと夜と音楽と/チェット・ベイカー

    朴訥に哀愁を表現するトランペット・プレイと気だるいヴォーカルに加え、ジャズ界の“ジェームズ・ディーン”と形容されたルックスで一躍人気者になったチェット・ベイカー。薬物依存から抜け出せずに生涯を終えてしまったが、破滅的な私生活とは別に、彼の演奏と歌には見事なリリシズムが横溢していた。人気ソングライター・チームのハワード・ディーツ(作詞)とアーサー・シュワルツ(作曲)による、夜のムードを巧みに演出したこの曲を、チェットは晩年の色気を醸し出すヴォーカルで表現している。

    You And The Night And The Music / CHET BAKER (Howard Dietz Arthur Schwartz)

  13. アンフォゲッタブル/ジョン・ピザレリ

    シンガーでギタリストのピザレリによるロマンティックなヴォーカルをフィーチャーしたトラック。ナット・キング・コールに強い影響を受けたというだけあって、コールばりの甘いハスキー・ヴォイスで聴かせてくれる。ピザレリの歌声は、こうした美しいメロディの曲を歌ったときにより一層の輝きを放つ。1991年には、ナタリー・コールが亡き父親が吹き込んだこの曲とヴァーチャルなデュエットで歌い、グラミーの「最優秀アルバム賞」と「最優秀歌曲賞」を獲得した。

    Unforgettable / JOHN PIZZARELLI (Irving Gordon)

  14. バラ色の人生/トゥーツ・シールマンス feat.ダイアナ・クラール

    シャンソン歌手のエディット・ピアフが1946年に発表した不朽の名曲。作詞はピアフ自身によるもの。ここではハーモニカ奏者の巨匠トゥーツ・シールマンスと、いまやジャズ・ヴォーカル界の最高峰として君臨しているダイアナ・クラールの共演が嬉しい。ピアニストとしても一流で、カナダ出身の彼女によるフランス語の歌唱で聴けるのは実に貴重。シールマンスが奏でるエモーショナルなメロディと、それに続くクラールの表現力豊かなヴォーカルが印象的なトラックだ。

    La Vie En Rose / TOOTS THIELEMANS feat. DIANA KRALL (Édith Piaf-Louis Louiguy)

  15. スマイル/トニー・ベネット

    1936年に喜劇王チャップリンが作曲、54年にジョン・ターナーとジェフリー・パーソンズが歌詞とタイトルを加えた美しいバ ラード。ここではジャズというよりポピュラー・シンガーとしてのベネットの魅力を味わえる。歌詞は、「どんなにつらいことがあっても、笑っていれば太陽の輝く明日がやってくる・・・」という、元気づけるような内容。 原曲の美しいメロディと歌詞を生かしつつ、優しく、そしてときに力強く、ベネットはこの歌詞を噛みしめるように歌ってみせる。

    Smile/TONY BENNETT (John Turner - Geoffrey Parsons - Charlie Chaplin)

  16. マイ・ファニー・ヴァレンタイン/日野皓正 feat.グラディ・テイト

    日本のジャズ・シーンでトップの一人、日野皓正は一時期ニューヨークに活動の拠点を移し、“世界のヒノテル”としてより飛躍した。そんな時代にNYで吹き込んだスタンダード集『トランス・ブルー』からの1曲が、ロレンツ・ハート(作詞)とリチャード・ロジャース(作曲)のコンビが書いたこのバラード。マイルス・デイビスの名演やチェット・ベイカーの歌唱で有名な曲だ。ここでは名ドラマーでシンガーのグラディ・テイトが渋い声を響かせ、日野も絶好調のトランペットをプレイして、この曲の名演の一つとなった。

    My Funny Valentine / TERUMASA HINO feat. GRADY TATE (Richard Rodgers - Lorenz Hart)

  17. レフト・アローン/マリーン

    フィリピン出身のシンガー、マリーンが日本にやってきたのは1978年。その彼女が歌うこの曲は、不世出のシンガーといわれたビリー・ ホリデイが死の直前に歌詞を書き、晩年の伴奏者だったピアニストのマル・ヴォルドロンがメロディをつけたもの。ホリデイの死後にマルとジャッキー・マクリーン (アルトサックス奏者) がカルテットで録音したヴァージョンはジャズの名盤となり、今日でもベストセラーを続けている。ここでのマリーンの歌も、切なく響く名歌唱といえるだろう。1986年に公開された角川映画『キャバレー』の主題歌。

    Left Alone / MARLENE (Billie Holiday Mal Waldron)

  18. ムーンライトセレナーデ/カーリー・サイモン

    スイングジャズ全盛の時代に大活躍したトロンボーン奏者グレン・ミラーが、史上名高いオーケストラを結成する以前に作/編曲の練習用に作ったといわれるナンバー。当時ヒットしたのは楽団を旗揚げした後の1939年で、以来これがミラー楽団のテーマ曲となった。それをポピュラー歌手として大人気のサイモンが、ゴージャスなオーケストラをバックにジャジーに歌い上げている。

    Moonlight Serenade / CARLY SIMON (Mitchell Parish Glenn Miller)

一昔前、ジャズ・ヴォーカルとポピュラー・ヴォーカルの違いは、器楽=インストのように、単に歌い手がスキャット (=即興的に歌うこと) が出来るか出来ないかの違いだけであった。しかし、その後ポップスやロックのヴォーカリスト達が、年齢を重ね、エンターテイナーの頂点であるフランク・シナトラに倣い、ジャズ・スタンダードを歌うようになってからは、その垣根も取り払われ、ストリングスによるオーケストラアレンジや、リズムが4ビート風に味付けされたものがジャズ・ヴォーカルとカテゴライズされるようになり、今日に至っている。


ジャズスタンダードといわれる楽曲は、元々はミュージカルで使用された曲、失恋歌であるトーチソングなど、恋の歌が圧倒的に多い。ポピュラー出身のシンガーは原曲の良さを忠実になぞり、正統派のジャズ・シンガーはメロ ディにアドリブやフェイクを加え自由自在に恋の歌を歌い上げていく。女性はしっとりとセクシーな歌声が、男性はダンディな包容力と渋い声の表現がそれぞれの魅力だが、何といってもここに収録されたトラックに通底しているのは“癒し”であるだろう。中盤から後半に盛り上がりを聴かせる楽曲であっても、始めと終わりは静かに厳かに歌われ演奏されている。まさにそこが聴きどころだ。どうか余すところなく名唱/名演の数々をご堪能いただきたい。

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