ジャズジャズタイム~あの頃のバラードにときめいて
ジャズタイム~あの頃のバラードにときめいて
商品名 ジャズタイム~あの頃のバラードにときめいて
発売日 2023年12月06日
商品コード MIUM-4302/3
JANコード 4571117355346
定価(税込) 2,420円
収録時間 DISC-1:51分08秒
DISC-2:58分46秒

映画やCMなど、どこかで聴いた名曲がオンパレード!レジェンド・アーティスト達による名演をお楽しみください。


解説カード付(ヴォーカル曲歌詞付)

*MONO
一部オリジナルマスターテープに起因するノイズ等が有りますがご了承下さい。


収録内容


    Jazz Time Greatest Ballads DISC-1
  1. ラヴァーズ・コンチェルト/サラ・ヴォーン

    “音楽の父”ことJ.S.バッハのクラシック曲「メヌエット ト長調 BWV Anh.II/114」を基に、アメリカの作曲家チームであるサンディ・リーザーとデニー・ランドルが書いた・・・と伝えられてきたが、 原曲を生み出したのはバッハでなくクリスティアン・ペツォールトである、というのが近年では定説になっている。ポップス系女性3人組グループ“ザ・トイズ”が65年にヒットさせ、 間もなくジャズ界きっての歌姫サラ・ヴォーンがカヴァー。彼女の名を幅広い音楽ファンに浸透させた、文字通りの定番だ。

    【解説】原田和典

    作詞:Sandy Linzer / Denny Randell 作曲:Johann Sebastian Bach / Sandy Linzer / Denny Randell

  2. 二人でお茶を/ブロッサム・ディアリー

    1924年にヴィンセント・ユーマンス(作曲)とアーヴィング・シーザー(作詞)が共作。ミュージカル「ノー、ノー、ナネット」の中で紹介され、 25年にはマリオン・ハリスの歌唱したレコードが全米ヒット・チャートの首位を記録。58年にはトミー・ドーシー楽団がリバイバル・ヒットさせた。 「ちょっと想像してみてね。二人でお茶を飲みましょう。一緒に家庭を築きましょう。そして男の子と女の子を育てるの」。 ブロッサム・ディアリーは独特のウィスパー・ヴォイスと軽やかなピアノ演奏で、曲の魅力を余すところなく表現する。

    【解説】原田和典

    作詞:Irving Caesar 作曲:Vincent Youmans

  3. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン/ジュリー・ロンドン

    1954年にバート・ハワードが作詞・作曲したワルツ「イン・アザー・ワーズ」が原曲。やがて「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」という別タイトルがつき、 62年にジョー・ハーネル楽団がボサ・ノヴァ調の編曲で演奏したところ大ヒットを記録した。 フランク・シナトラとカウント・ベイシー楽団の共演やナット・キング・コールの歌唱も名高いが、ここでは映画「女はそれを我慢できない」等に 登場した歌手/ 役者のジュリー・ロンドンによる、妖艶なハスキー・ヴォイスで味わっていただこう。タイトルは“私を月に連れていって”という意味。

    【解説】原田和典

    作詞・作曲:Bart Howard

  4. ムーン・リヴァー/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

    「アカデミー歌曲賞」や「グラミー賞 最優秀楽曲賞」に輝く一曲。1961年のアメリカ映画「ティファニーで朝食を」(監督:ブレイク・エドワーズ)の主題歌として ジョニー・マーサー(作詞)とヘンリー・マンシーニ(作曲)が共作し、主演のオードリー・ヘプバーンが歌って広まった。 マンシーニはオードリーが持つ1オクターヴの声域に合わせてメロディを書いたと伝えられる。ドラム奏者アート・ブレイキーが率いる人気グループ “ザ・ジャズ・メッセンジャーズ”はこのロマンティックな楽曲を逞しく、ドライヴ感たっぷりに演奏する。

    【解説】原田和典

    作詞:Johnny Mercer 作曲:Henry Mancini

  5. 酒とバラの日々/オスカー・ピーターソン

    1962年のアメリカ映画「酒とバラの日々」(監督:ブレイク・エドワーズ)の主題歌。ジョニー・マーサー(作詞)とヘンリー・マンシーニ(作曲)が共作し、 アカデミー歌曲賞のほか、グラミー賞では最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞に輝いた。 アンディ・ウィリアムスの歌唱でご記憶の方もいらっしゃるかと思うが、インストゥルメンタル(器楽演奏)ではオスカー・ピーターソンの当ヴァージョンが最も親しまれていよう。 短めの演奏とはいえ、ジャズ・ピアノのドライヴ感が満喫できるパフォーマンスと断言したい。

    【解説】原田和典

    作詞:Johnny Mercer 作曲:Henry Mancini

  6. いそしぎ/アストラッド・ジルベルト

    エリザベス・テイラーとリチャード・バートンが主演した1965年のアメリカ映画「いそしぎ」(監督:ヴィンセント・ミネリ)の主題歌で、 「Love Theme fromThe Sandpiper」という別タイトルも持つ。ポール・フランシス・ウェブスターが作詞、ジャズ・トロンボーン奏者のジョニー・マンデルが作曲し、 アカデミー賞の歌曲賞とグラミー賞の最優秀楽曲賞を得た。“ボサ・ノヴァの女王”ことアストラッド・ジルベルトは、映画封切りとほぼ同時期にこの曲に取り組み、 生涯を代表する名唱を残した。ドン・セベスキー編曲による伴奏もこよなく美しい。

    【解説】原田和典

    作詞:Paul Francis Webster 作曲:Johnny Mandel

  7. バット・ビューティフル/トニー・ベネット&ビル・エヴァンス

    面白くもあり、悲しくもあり、美しくもある不思議な現象……つまり「恋」について歌った一曲。1947年にジョニー・バーク(作詞)、 ジミー・ヴァン・ヒューゼン(作曲)が共作し、同年のアメリカ映画『南米珍道中』(監督:ノーマン・マクロード)の中で ビング・クロスビーとドロシー・ラムーアが紹介した。2023年に96歳で亡くなったトニー・ベネットの愛唱曲のひとつでもあり、ことにピアノ奏者ビル・エヴァンスとの デュオ・パフォーマンスや、レディー・ガガとの共演は名高い。ここではベネットとエヴァンスによる詩情豊かな解釈をお楽しみいただこう。

    【解説】原田和典

    作詞:Johnny Burke 作曲:Jimmy van Heusen

  8. いつか王子様が/ビル・エヴァンス

    世界初のカラー長編アニメ映画といわれる『白雪姫』(1937年、監督:デイヴィッド・ハンド)の挿入歌で、アメリカ映画協会(AFI) が選定した 「映画史における偉大な歌ベスト100」の19位にランクインした。ジャズ・ミュージシャンにとりあげられるようになったのは50年代末頃からで、 デイヴ・ブルーベック、マイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンス等の演奏によって広まった。ここに収められたのはエヴァンスの、まさに決定版というべきヴァージョン。 ワルツのリズムに乗って、軽やかにメロディを表現する彼のピアノ・プレイは本当に魅力的だ。

    【解説】原田和典

    作詞:Larry Morey 作曲:Frank Churchill

  9. この素晴らしき世界/ルイ・アームストロング

    輝かしいトランペットと人懐っこいダミ声ヴォーカルでジャズの楽しさを広めたルイ・アームストロングが、ひとりの歌手に徹した1968年のナンバー。 87年のアメリカ映画『グッド・モーニング、ベトナム』(監督:バリー・レヴィンソン)に使用されてリバイバル・ヒットした。 ジョージ・ダグラス(プロデューサー、ボブ・シールのペンネーム)とジョージ・デヴィッド・ワイスが共作した。 「人々は握手しながら“愛してる”と挨拶し、子供は健やかに成長する。なんて素晴らしい世界なのか」という歌詞には、早くそういう時が来るようにという願いがこめられているという。

    【解説】原田和典

    作詞・作曲:George David Weiss / George Douglas

  10. 時のすぎゆくまま */ビリー・ホリデイ

    1931年、ミュージカル『エヴリバディズ・ウェルカム』のためにハーマン・ハップフェルドが作詞・作曲。 その後、ハンフリー・ボガートが主演した1942年のアメリカ映画『カサブランカ』(監督:マイケル・カーティス)の中で、俳優/ 歌手のドーリー・ウィルソンが歌い、 世界的に親しまれることとなった。「どれほど時が過ぎようとも、女は男を求め、男は女を求める。これは永遠の真理」という歌詞を持つ楽曲を、 “ジャズ・ヴォーカルの象徴”ビリー・ホリデイはゆったりと、語りかけるように表現している。

    【解説】原田和典

    作詞・作曲:Herman Hupfeld

  11. マイ・ファニー・ヴァレンタイン */チェット・ベイカー

    ロレンツ・ハート( 作詞)とリチャード・ロジャース( 作曲) の名コンビが、1937年のミュージカル『ベイブス・イン・アームズ』のために書いたナンバー。 歌詞は「髪の毛一本も変えないでおくれ、いとしの恋人よ、どうかそのままでいてほしい」という内容を持つ。チェット・ベイカーは、その恵まれたルックスから “ジャズ界のジェームズ・ディーン”とも呼ばれた人物。トランペットと歌の双方で人気を集めたが、ここでは後者に専念している。高めの声によるソフトな歌唱はモーズ・アリソンやエルヴィス・コステロにもインスピレーションを与えた。

    【解説】原田和典

    作詞:Lorenz Hart 作曲:Richard Rodgers

  12. ユー・アー・トゥー・ビューティフル/ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン

    1932年にロレンツ・ハート( 作詞)とリチャード・ロジャース( 作曲) が共作。 翌33年のアメリカ映画『風来坊』(監督:ルイス・マイルストン)の中で、主演のアル・ジョルスンが歌った。 しかしジャズ・ファンにとって最も馴染み深いのは、ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマンによる当ヴァージョンだろう。 ハートマンは“ジャズ・ヴォーカル史上、最も美しい低音の持ち主”と讃えられるシンガー。 「君は美しすぎる、だけど僕はただの愚か者」と歌うハートマン、それを引き立てるコルトレーンのサックス。永遠不滅の名演だ。

    【解説】原田和典

    作詞:Lorenz Hart 作曲:Richard Rodgers

  13. ミスティ */エロール・ガーナー

    1971年のアメリカ映画『恐怖のメロディ』(監督:クリント・イーストウッド)で物語の鍵を握る曲として使われていたことをご記憶の方もいらっしゃるだろう。 楽曲が生まれたのは50年代前半のこと。名ピアニスト、エロール・ガーナーは飛行機で移動中にこのメロディを思い浮かべたが、譜面の読み書きができないため書き留めることができなかった。 そこでメロディを頭の中で繰り返し、宿泊先のホテルにあるピアノで演奏。それをテープに収録して事なきを得たという。その「ミスティ」の、初公式レコーディングがこれだ。

    【解説】原田和典

    作詞:Johnny Burke 作曲:Erroll Garner

  14. ワルツ・フォー・デビイ/ビル・エヴァンス

    “ジャズ・ピアノの詩人”ことビル・エヴァンスが、兄の愛娘デビイちゃんに捧げた可憐なワルツ。 1956年に無伴奏ソロ・ピアノ曲として初めて録音されたが(アルバム『ニュー・ジャズ・コンセプションズ』収録)、 61年にニューヨークの名門ジャズ・クラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」で収録されたトリオ編成による当演奏が最高傑作として名高い。 レコーディングの約10日後に亡くなった天才ベース奏者スコット・ラファロと、のちにキース・ジャレットと合流するドラム奏者ポール・モチアンの妙技にも注目されたい。

    【解説】原田和典

    作詞:Gene Lees 作曲:Bill Evans

    Jazz Time Greatest Ballads DISC-2
  1. イパネマの娘/スタン・ゲッツ、ジョアン・ジルベルト&アストラッド・ジルベルト

    世界中にボサ・ノヴァ・ブームを巻き起こした不朽の名曲。演劇『Dirigível』のために1962年にヴィニシウス・ヂ・モライスがポルトガル語で作詞、 アントニオ・カルロス・ジョビンが作曲し、その後ノーマン・ギンベルが英語の歌詞をつけた。 ここではジョアン・ジルベルトのポルトガル語によるギター弾き語りが、当時の妻アストラッド・ジルベルトの英語ヴォーカルへと受け継がれ、 スタン・ゲッツのサックスと作者ジョビンのピアノが優しく絡む。ボサ・ノヴァとジャズの、最も幸せな出会いがここにある。

    【解説】原田和典

    作詞:Vincius de Moraes / Norman Gimbel 作曲:Antonio Carlos Jobim

  2. バードランドの子守唄 */サラ・ヴォーンwith クリフォード・ブラウン

    ニューヨークの伝説的ジャズ・クラブ「バードランド」のテーマ・ソングとして、ピアニストのジョージ・シアリングが1952年に作曲し、B.Y.フォースター(ジョージ・デヴィッド・ワイスの変名)が作詞した。 サラ・ヴォーンは“ザ・ディヴァイン・ワン(聖なる歌声)”と形容される名ジャズ・ヴォーカリスト。 ここではクリフォード・ブラウン(トランペット)、ハービー・マン(フルート)、ジミー・ジョーンズ(ピアノ、編曲)ら錚々たるメンバーとわたりあいながら、 スキャット(歌詞を伴わない歌い方)も交えた雄弁な歌唱で魅了する。

    【解説】原田和典

    作詞:George David Weiss 作曲:George Shearing

  3. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ */ヘレン・メリル with クリフォード・ブラウン

    “ミスター・アメリカン・メロディ”の異名をとるコール・ポーターが、1943年のアメリカ映画『サムシング・トゥ・シャウト・アバウト』(監督:グレゴリー・ラトフ) のために作詞・作曲した。ジャズ・ファンにとって最もなじみ深いのは、ヘレン・メリルがハスキー・ヴォイスで「あなたのいるところに帰っていけたら、 どんなに素敵かしら」と歌いあげる当ヴァ―ジョンであろう。一度聴いたら忘れられないイントロを含む編曲は、若き日のクインシー・ジョーンズが担当。 彼は後年、マイケル・ジャクソンのプロデューサーとして大成功を収める。

    【解説】原田和典

    作詞・作曲:Cole Porter 編曲:Quincy Jones

  4. 君住む街角/メル・トーメ

    「地に足がついているのに、高層階にいるような気分だ。この街に君がいることを知っているから。君が突然現れるかもと、気持ちは高まるばかりだ」。 1956年のミュージカル『マイ・フェア・レディ』のために、アラン・ジェイ・ラーナー(作詞)とフレデリック・ロウ(作曲)が共作し、 同年、ヴィック・ダモンの歌うレコードがヒットした。ここでは男性ジャズ・ヴォーカル界の雄、メル・トーメがスキャットを交えながら軽妙に解釈する。 マーティ・ペイチによる編曲、アート・ペッパーによるサックス演奏も大きな聴きものだ。

    【解説】原田和典

    作詞:Alan Jay Lerner 作曲:Frederick Loewe 編曲: Marty Paich

  5. 星影のステラ */スタン・ゲッツ

    ヴィクター・ヤングが1944年のアメリカ映画『呪いの家』(監督:ルイス・アレン)のために作曲し、46年にネッド・ワシントンが歌詞をつけた。 「こんなに美しいメロディなのだし、きっと甘いラヴ・ソングなのだろう」と思う方もいらっしゃることだろうが、『呪いの家』はホラー作品。 曲名に登場する“ステラ”は、物語のカギを握る女性キャラクターの名前である。スロー・バラードで演奏されることが多い曲だが、 サックス奏者スタン・ゲッツは心持ちテンポを速め、流暢そのもののプレイを繰り広げている。

    【解説】原田和典

    作詞:Ned Washington 作曲:Victor Young

  6. ナイト・アンド・デイ */スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス

    1932年のミュージカル『陽気な離婚』のために、コール・ポーターが作詞・作曲。 20世紀屈指の歌手/ 俳優/ ダンサーであるフレッド・アステアは劇中でこの曲を紹介し、翌33年に2度レコーディング。 34年のアメリカ映画『コンチネンタル』(監督:マーク・サンドリッチ)でも披露した。スタン・ゲッツ(サックス)、ビル・エヴァンス(ピアノ)、 ロン・カーター(ベース、マイルス・デイヴィス・バンド在籍中)、エルヴィン・ジョーンズ(ドラムス、ジョン・コルトレーン・バンド在籍中)は、この曲を痛快なモダン・ジャズに再生している。

    【解説】原田和典

    作詞・作曲:Cole Porter

  7. 縁は異なもの/ダイナ・ワシントン

    1934年にメキシコの作詞・作曲家マリア・グレベールが書き(原題「CuandoVuelva A Tu Lado」)、同年中にスタンリー・アダムスが英詞の歌詞をつけた。 ドーシー・ブラザーズ・オーケストラのレコードが流行した後、59年にダイナ・ワシントンの歌唱によってリバイバル・ヒット。 彼女の名をブルース~ジャズ界から広くアメリカ・ポピュラー音楽界に浸透させた。「たった24時間で、こんなに気持ちが変わるなんて。 昨日の私は暗く沈んでいたけれど、今日の私には太陽と花が輝いている。それはあなたと出会ったから」という歌詞を持つ。

    【解説】原田和典

    作詞:Stanley Adams 作曲:Maria Grever 編曲:Belford Hendricks

  8. スマイル/ナット・キング・コール

    20世紀を代表するマルチ・タレントであるチャーリー・チャップリンが1936年、自身が監督したアメリカ映画『モダン・タイムス』のために作曲。 54年にジョン・ターナーとジェフリー・パーソンズが歌詞をつけた。 ダイアナ・ロス、マイケル・ジャクソン、サミー・デイヴィスJr.、トニー・ベネット等も録音しているが、中でも決定版の呼び声が高いのはナット・キング・コールのヴァージョン。 彼が歌ったシングル盤は全米シングル・チャートの10位、全英チャートの2位まで上昇するヒットとなり、楽曲「スマイル」の名声を決定づけた。

    【解説】原田和典

    作詞:Geoffrey Parsons / John Turner 作曲:Charlie Chaplin

  9. ムーンライト・セレナーデ/グレン・ミラー・オーケストラ

    1954年のアメリカ映画『グレン・ミラー物語』(監督:アンソニー・マン)のモデルでもあるグレン・ミラーは、1920年代から第二次世界大戦末期にかけてバンド・リーダー/トロンボーン奏者/作編曲家として活躍。 38年ごろ自らのオーケストラのテーマ・ソングとしてこの曲を書き、39年にレコード化すると全米年間ヒット・チャートの5位に輝く大ヒットを記録した。 当CD に収められているのは、後継者たちによって再結成されたオーケストラによる演奏。クラリネットがリードするアンサンブルが、こよなく美しい。

    【解説】原田和典

    作詞:Mitchell Parish 作曲:Glenn Miller

  10. スターダスト */エラ・フィッツジェラルド

    1927年にピアニスト/ 歌手のホーギー・カーマイケルが作曲。“自らの失恋をモチーフに、当初は口笛でメロディをまとめあげた”という説もある。 そして29年ごろ、ミッチェル・パリッシュが歌詞をつけた。演奏してもよし、歌ってもよしの大定番であり、最もカヴァー・ヴァージョン数の多いアメリカン・ソングのひとつにも挙げられている。 “ファースト・レディ・オブ・ソング”ことエラ・フィッツジェラルドは、数々のシンガーから絶大な信頼を得る名伴奏者エリス・ラーキンスのピアノだけをバックに、威風堂々たるバラードの世界を届ける。

    【解説】原田和典

    作詞:Mitchell Parish 作曲:Hoagy Carmichael

  11. あなたは恋を知らない */マイルス・デイヴィス

    コメディ・チーム“アボット&コステロ”が主演した1941年のアメリカ映画『凸凹空中の巻』(監督:アーサー・ルービン)のためにドン・レイ(作詞)とジーン・デポール(作曲)が提供。劇中ではミュージカル女優のキャロル・ブルースが歌った。 54年にはマイルス・デイヴィスが取り上げ、その後チェット・ベイカー、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン等も演奏し、すっかりジャズの定番曲の仲間入りを果たした。 マイルスはミュート(音量を抑える器具)をトランペットに装着、甘美な音色でバラード・プレイの極致を聴かせる。

    【解説】原田和典

    作詞:Don Raye 作曲:Gene de Paul

  12. サマータイム/エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング

    1933年、黒人霊歌にアイデアを得てジョージ・ガーシュウィンが作曲。 34年にデュボーズ・ヘイワードの歌詞がつき、35年のフォーク・オペラ(ミュージカル)『ポーギーとベス』で紹介された。 チャーリー・パーカーからジャニス・ジョプリン、ポール・マッカートニー、サム・クックまで数えきれないほどの音楽家が取り上げており、 カヴァー・ヴァージョン数は軽く3万を超えるという。ここではエラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングが究極の演唱を繰り広げる。ドラマティックな編曲はラス・ガルシアが担当。

    【解説】原田和典

    作詞:Dubose Heyward 作曲:George Gershwin 編曲: Russell Garcia

  13. マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ/ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン

    男性ヴォーカリストとジャズ・バンドの幸福な出会いを記録した名盤「ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン」から、Disc1-12に続いて、もう一曲聴いていただこう。 1952年にロバート・メリン(作詞)とガイ・ウッド(作曲)が共作し、翌年にフランク・シナトラがレコーディングしたことで広まった。 「君のことを考えると、僕の心は歌い出す。君の心は僕の心に火をつける。 世界でたったひとりの君」という歌詞を持つラヴ・ソングを、高音を生かしたサックスの音色と、太く豊かな低音ヴォーカルのブレンドで表現している。

    【解説】原田和典

    作詞:Robert Mellin 作曲:Guy B.Wood

  14. 星に願いを */ケニー・ドリュー

    Disc1-8「いつか王子様が」と共に、最も愛されているディズニー楽曲のひとつといえよう。 1940年2月のアニメ映画『ピノキオ』(監督:ベン・シャープスティーン他)の主題歌で、アメリカ映画協会(AFI) が選定した「映画史における偉大な歌ベスト100」では第7位に輝いた。 ルイ・アームストロングからリンダ・ロンシュタット、ロック・バンド「KISS」のジーン・シモンズまで幅広い音楽家に愛好されているが、ここではケニー・ドリューのピアノ演奏でお楽しみいただきたい。 ワン・コーラスをソロで演じ、その後ベース、ドラムスを加えてアドリブを届ける。

    【解説】原田和典

    作詞:Ned Washington 作曲:Leigh Harline

ページのトップへ戻る