ジャズSpring Joyful Jazz
Spring Joyful Jazz
商品名 Spring Joyful Jazz
発売日 2012年02月22日
商品コード MIWM-4109
JANコード 4571117352925
定価(税込) 2,200円
収録時間 74分40秒

春にぴったりの華やかで心地よいジャズ・ナンバーをセレクト。


歌詞(1・3・5・8・11・14)・解説付


収録内容

*モノラル録音


  1. The Manhattan Transfer / Sing Joy Spring

    「ジョイ・スプリング」は1956年、自動車事故のため夭折したクリフォード・ブラウンが1954年に書いた曲。この演奏は、そのメロディに、歌手のジョン・ヘンドリックスが詞をつけ、マンハッタン・トランスファーが歌ったもの。ジャズの世界では、器楽奏者が残した名曲に詞がついて歌われることは多く、ここでの編曲も原曲に忠実。後半で登場するトランペットのソロはディジー・ガレスピー。春の到来を告げる輝かしさに満ちた演奏だ。

    【解説】後藤 誠

    マンハッタン・トランスファー/シング・ジョイ・スプリング

  2. Freddie Hubbard / Up Jumped Spring

    フレディ・ハバードは、60年代にジャズ・メッセンジャーズで活躍、70年代にはハービー・ハンコックやロン・カーターとの共演で人気を博したトランペット奏者、この曲は、その彼が書いた「春ジャズ」の代名詞というべきワルツ。フリューゲルホルンがフルートと絡みながら、愛らしいメロディが「春の喜び」を歌う。ソロはフルートが先発、続くハバードの演奏もまさにブリリアントだ。続くピアノのソロでも、流麗なタッチが冴える。

    【解説】後藤 誠

    フレディ・ハバード/アップ・ジャンプト・スプリング

  3. Joanie Sommers / April in Paris

    ジョニー・ソマーズは60年代のポップ・シーンで活躍した人気歌手。この曲は1932年のレヴュー「ウォーク・アリトル・ファースター」のために書かれたもの。作詞を担当したE.Y.ハーバーグは当時パリに行ったことがなく、そのためパリに詳しいヴァーノン・デュークがまず曲を書き、ハーバーグはパリを「想像」しながら詞を書いたという。ボレロ風のリズム、ビッグ・バンドの伴奏を得たソマーズの歌唱は、まさにクール&キュートだ。

    【解説】後藤 誠

    ジョニー・ソマーズ/パリの四月

  4. The Modern Jazz Quartet / It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)

    作曲デューク・エリントン、作詞アーヴィング・ミルズによる1932年の作品。もともと器楽演奏用だったものに、ミルズが詞をつけヒットソングとなった。ここで聴かれるモダン・ジャズ・クヮルテットの演奏と編曲は、実にユニーク。3連拍を使ったテーマに続き、ヴァイブのジャクソンが、4ビートのリズムで軽快にスイング。続くピアノソロでリズムがさらに変わり、4ビートでスイングする。見事な構成で、聴き手の関心を引きつけている。

    【解説】後藤 誠

    モダン・ジャズ・クヮルテット/ スウィングしなけりゃ意味ないね

  5. Chris Connor & Maynard Ferguson / Spring Can Really Hang You Up the Most

    ピアニストのトミー・ウルフと女流作詞家のフラン・ランズマンの名コンビが1955年のミュージカル「ザ・ナー ヴァス・セット」のために書いた1曲。詞は「花が咲き、鳥もさえずる春が来たものの、寝転がったり、散歩をしたり、ひとりぼっちで過ごす」と、失恋した女心を歌う。クリス・コナーは、メイナード・ファーガソン率いるビッグ・バンドの伴奏でヴァースから歌い上げる。ハスキー・ヴォイスの魅力が溢れる、味わい深い演奏だ。

    【解説】後藤 誠

    クリス・コナー&メイナード・ファーガソン/スプリング・キャン・リアリー・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト

  6. Bill Evans / You Must Believe in Spring

    曲はフランス音楽界の重鎮ミシェル・ルグランが、詞はアラン&マリリンのバーグマン夫妻が書いた1967年の作品。1980年9月に他界したが、30年以上の歳月が経過した現在でも根強い人気を誇るビル・エヴァンスが、晩年の名盤で取り上げた1曲。郷愁を誘うロマンチックなテーマの後、ベースのマーク・ジョンソンがソロを取り、エ ヴァンスの両手の指が、ピアノの鍵盤上を軽やかに舞い、一体感のある躍動感のある演奏が繰り広げられていく。

    【解説】後藤 誠

    ビル・エヴァンス/ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング

  7. Lee Konitz with Warne Marsh / There Will Never Be Another You *

    リー・コニッツとウォーン・マーシュは、クール・ジャズの創始者として有名なレニー・トリスターノの門下生。楽器はアルト・サックス、テナー・サックスと異なるものの、音色とフレーズは似ており、まるで双子のような演奏を展開する。サックスのソロはコニッツが先発。その後ベースソロを経て、コニッツ→マーシュの順で4小節交換と両者の合奏が行われる。切れ味鋭い、閃きのあるサックスのソロの応酬が秀逸だ。曲はスタンダードのひとつ。

    【解説】後藤 誠

    リー・コニッツ&ウォーン・マーシュ/ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー

  8. Bobby Darin / I'll Remember April

    ドン・レイ作詞、ジーン・デポール&パトリシア・ジョンストンの作曲で、1942年のコメディ映画「ライド・エム・カウボーイ」で使われた。詞は「別れた恋人と出会った四月を思い出すことで、僕はいつでも微笑むことができる」という内容。ボビー・ダーリンは、俳優・ソングライターとしても活躍、2004年には彼の生涯を辿った伝記映画『ビヨンド・ザ・シー」も作られた。フランク・シナトラ張りの迫力があり、ゴージャス&ダンディーだ。

    【解説】後藤 誠

    ボビー・ダーリン / 四月の想い出

  9. Marty Paich / Younger than Springtime / The Surrey with the fringe on top

    これはビッグバンドで2つのスタンダードをミックスした面白いトラック。前半の「ヤンガー・ザン・スプリングタイム」は、1949年のミュージカル『南太平洋』からのナンバー。バリトン・サックスの演奏するテーマに続き、最初のアルト・サックスのソロは、アート・ペッパーだ。後半のピアノからもうひとつの曲「飾りのついた四輪馬車」となって、クラリネットが演奏するテーマを経て、ラストは、2つの曲を混合した編曲で終わる。

    【解説】後藤 誠

    マーティ・ベイチ/ヤンガー・ザン・スプリングタイム~飾りのついた四輪馬車

  10. Shorty Rogers / Twelfth Street Rag *

    ジャズ初心者の人にも気軽に楽しめるユーモラスな演奏。ショーティ・ロジャースは50年代のウエスト・コーストで活躍したトランペット奏者。「ラグ」はラグタイムの「ラグ」でジャズの原型となった音楽スタイル。シンプルなメロディとリズム楽器とのコール&レスポンスの後、クラリネット、フリューゲルホルン、ピアノのソロが続く。そのバックで、スティックやブラシを駆使して、変化に富んだ伴奏を披露するドラムの名人芸も楽しい。

    【解説】後藤 誠

    ショーティ・ロジャーズ/12丁目のラグ

  11. Joanie Sommers / It Might As well be spring

    作詞オスカー・ハマースタイン2世、作曲リチャード・ロジャースのコンビによる1945年の作品で、これは2人が1945年の映画『ステイト・フェアー」のために書いた1曲。スロー・テンポで歌うジョニー・ソマーズには、春特有のアンニュイな雰囲気が溢れている。何もやる気がおきず、まるで操り人間のようになってしまった自分。そんな空想にふけって、楽しくなったり、悲しくなったり、そんな気持ちを「まるで春が来たよう」と歌う。

    【解説】後藤 誠

    ジョニー・ソマーズ/ 春の如く

  12. Art Farmer / Swing Spring

    ジャズ界の帝王といわれたマイルス・デイヴィスが1953年に、「アイ・ガット・リズム」のコード進行に基づいて書いた曲。トランペット&フリューゲルンホルン奏者のアート・ファーマーがニューヨークにあったジャズ・クラブの「ハーフ・ノート」で収録したライブ盤から。演奏は、非常に速いテンポで、ファーマーのフリューゲルホルンが先発、その後ギター、ドラムと続いている。各人が持ち味を発揮した、ライブの熱気が伝わる演奏だ。

    【解説】後藤 誠

    アート・ファーマー/スウィング・スプリング

  13. Bill Evans / Spring Is Here

    ロレンツ・ハート作詞、リチャード・ロジャース作曲による1938年の作品。 同年のミュージカル「アイ・マリード・ アン・エンジェル」で使われた。「春なのにわたしの気持ちはパッとしない。美しいワルツにも心奪われない。夢も希望もない。星空は美しくても、夜はわたしを誘わない。春が来たというのに、誰もわたしを愛してくれる人はいない」という失恋の歌。このビル・エヴァンスの演奏も、どことなく憂いに満ちている。

    【解説】後藤 誠

    ビル・エヴァンス/スプリング・イズ・ヒア

  14. Chris Connor / Suddenly It's Spring

    ジョニー・バーク作詞、ジミー・ヴァン・ヒューゼン作曲による1曲で、1944年の映画「レディ・イン・ザ・ダーク」でジンジャー・ロジャースが歌った。この映画はもともと1941年の同名ミュージカルの映画化だったが、そちらの音楽はアイラ・ガーシュインとクルト・ワイルが担当。映画化で追加されたのがこの曲だという。クリス・コナーが、ミュージカル調のストリングスの伴奏をバックに、待ち焦がれた春の到来をゆったりと歌う。

    【解説】後藤 誠

    クリス・コナー/サドンリー・イッツ・スプリング

  15. Milt Jackson / Heartstrings *

    ジャズ・ヴァイブの最高峰ミルト・ジャクソンが、クインシー・ジョーンズの編曲によるビッグバンドと共演した名盤『プレンティ、プレンティ、ソウル』に収録されたジャズ・バラードの名演。一音一音にこめられた魂の熱い叫びが伝わってくる。後半は人気アルト奏者のキャノンボール・アダレイがソウルフルなソロを聴かせ、最後は再びジャクソンが締めくくる。バックで迫力満点のリズムを刻んでいる個性豊かなドラマーは、アート・ブレイキー。

    【解説】後藤 誠

    ミルト・ジャクソン/ハートストリングス

  16. John Coltrane / My Shining Hour

    アルバムの最後はジョニー・マーサー作詞、ハロルド・アーレン作曲による1943年の作品で、同年のミュージカル映画『ザ・スカイズ・ザ・リミット (青空に踊る)』でフレッド・アステアが歌ったスタンダード・ナンバー。コルトレーンは50年代末から大変貌、大成長を遂げたジャズの巨人。当時革新的といわれた「シーツ・オブ・サウンド」と呼ばれた音数の多いスタイルを駆使。ピアノのウィントン・ケリーも鍵盤上をコロコロと転がるスタイルで楽しい。

    【解説】後藤 誠

    ジョン・コルトレーン/マイ・シャイニング・アワー

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