海外アーティストグラシェラ・スサーナ グレイテスト・ヒッツ
グラシェラ・スサーナ グレイテスト・ヒッツ
商品名 グラシェラ・スサーナ グレイテスト・ヒッツ
発売日 2013年03月24日
商品コード MITO-5003
JANコード 4571117353090
定価(税込) 2,619円
収録時間 74分10秒

”アルゼンチンの天使の歌声”スサーナのヒット曲を収録したベスト盤!!


収録内容


  1. サバの女王〈La Reine de Saba〉
  2. アドロ〈Adoro〉
  3. 黒い瞳はお好き?
  4. 愛の詩を今あなたに
  5. 恋心〈L'amour C'est pour Rien〉
  6. 街燈
  7. 夜霧のしのび逢い〈La Playa〉
  8. サン・トワ・マミー〈Sans Toi Mamie〉
  9. 誰もいない海
  10. 愛の音〈Ruidos〉
  11. 少しは私に愛を下さい
  12. つながれた船
  13. 遠くへ行きたい
  14. 時計〈El Reloj〉
  15. 粋な別れ
  16. 今日でお別れ
  17. 別に・・・
  18. あなたのすべてを
  19. 君去りし夜〈La Noche de Tu Partida〉
  20. 白い思い出
  21. 知りたくないの〈I Really Don't Want to Know〉
  22. 竹田の子守歌

グラシェラ・スサーナ グレイテスト・ヒッツ

鈴木啓之

「サバの女王」をはじめ、1970年代に数々のヒットを放った歌姫、グラシェラ・スサーナは、1953年1月22日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのチャカリタ地区に生まれました。父親がピアニストだったこともあって幼い頃から音楽に興味を持ち、アンヘル・パラシオ、アルノルド・ピントにギターを師事。さらにミセス・アルバ・デ・ベリオンに歌を師事して腕を磨き、10代後半からはタンゴを歌うようになりました。70年にはコルドバ州で開かれたタンゴ・フェスティバルで新人賞の栄誉を手にし、歌手のエドムンド・リベロから、氏の経営するクラブへの出演を依頼されます。
アルゼンチン・タンゴに傾倒し、名門アルフレッド・ハウゼ楽団とも共演していたシャンソン歌手の菅原洋一が、そのクラブへ訪れて彼女を見出したのは1971年のこと。その年の11月には初来日して、菅原のコンサートに出演したところ、素朴で美しい歌声と卓越したギタープレイが脚光を浴び、日本でのレコーディングが行なわれることとなりました。72年7月に「サバの女王」、9月にファースト・アルバム『愛の音 (Ruidos) 』がリリースされると大ヒット に。アルゼンチンの天使の歌声は、多くの日本人に支持されたのです。翌73年のアルバム『アドロ・サバの女王』は、オリコンのLPチャートで100位以内に実に220週超に亘ってランクインするロングセラーとなりました。

スサーナの名唱が散りばめられた本盤は、日本でのデビュー曲「サバの女王」に始まります。別名「シバの女王」としても知られ、ポール・モーリアなどのインスト・ヴァージョンも大いにヒットしたナンバー。訳詞はシャンソン喫茶「銀巴里」出身の作詞家、なかにし礼によるものです。続いての「アドロ」も彼女の代表作のひとつといえるでしょう。ドラマ『光る 海』の主題曲として、フランク・プゥルセル楽団の演奏盤でもお馴染みです。
オリジナル作品の「黒い瞳はお好き?」は木森敏之の作曲。カネボウ化粧品76年秋のキャンペーン・ソングとしてヒットしました。なかにし礼の詞は、フランソワーズ・サガンのエッセイにヒントを得たもので、スサーナもサガンのファンであったといいます。川口真の作曲による「愛の詩を今あなたに」は、布施明との競作盤となった作品です。スサーナの4枚目のアルバムのタイトルにもなりました。
エンリコ・マシアスがオリジナルの「恋心」は、越路吹雪や岸洋子らも歌った有名なナンバー。シャンソンに造詣の深い音楽評論家・永田文夫が訳詞しています。そして彼女の恩師である菅原洋一も歌っていましたが、そのシングルは、なかにし礼が訳詞したカップリング曲「知りたくないの」で脚光を浴び、後にAB面が入れ替わりました。ここでは共にスサーナの歌でお聴きいただきます。
シャンソンの訳詞といえばやはり、 越路のマネージャーも務めていた岩谷時子を抜きには語れません。「夜霧のしのび逢い」もその作品のひとつですが、これはもともとギリシャ映画の主題曲ですので、訳詞ではなく作詞ということになるでしょう。日本ではクロード・チアリのギターによる演奏盤もヒットしました。アダモの代表作であり、越路のカヴァーも大ヒットした「サン・トワ・マミー」も岩谷の訳詞。サンバのアレンジで歌われるスサーナのヴァージョンは、それらとはまた違った趣きがあります。
「誰もいない海」は、トワ・エ・モワと越路吹雪の競作で70年に出されていずれもヒットしましたが、もともとはテレビ『木島則夫モーニングショー』の<今月の歌>としてジェリー伊藤が歌い、68年に初めてレコード化された際は大木康子が歌っていたナンバーです。作曲の内藤法美は越路の夫。アレンジの仕事も多く手がけました。
フォーク系のカヴァーでは、小椋佳の「少しは私に愛を下さい」、佐々木勉の「あなたのすべてを」、また旧来の民謡を赤い鳥がヒットさせた「竹田の子守唄」など。幅広いジャンルの作品をこなし、それぞれ独自の解釈で聴き手を魅了するのは、スサーナのヴォーカルカの高さの証明といえるでしょう。宇崎竜童作曲の「別に・・・」など、彼女のために書かれたオリジナル・ナンバーの瑞々しさは言うまでもありません。
時代を超え、今も我々を大いに癒してくれるアルゼンチン出身の歌姫、グラシェラ・スサーナの天使の歌声をたっぷりとご堪能ください。

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