国内アーティスト来生たかお シングル・コレクション
来生たかお シングル・コレクション
商品名 来生たかお シングル・コレクション
発売日 2023年07月12日
商品コード MIUM-3161
JANコード 4571117356428
定価(税込) 2,420円
収録時間 73分09秒

「夢の途中」「Goodbye Day」など誰もが知るヒット・シングルを集めた決定盤。デビューからの人気シングルを集めたコレクション。


歌詞・楽曲解説付


収録内容


  1. 浅い夢

    姉・来生えつことともにデビュー前から書き溜めていた作品のひとつで、ファースト・アルバム『浅い夢』の先行シングルとなったデビュー曲。元々は歌手デビューを控えていた高田真樹子の為に作られていたという。メロディのモチーフは、レナード・バーンスタインの「Somewhere」。タイトルは来生えつこが敬愛していた吉行淳之介の小説「浅い夢」に由来する。小坂恭子「想い出まくら」などを手がけていた福井峻がアレンジを担当した。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:福井 峻

  2. 灼けた夏

    シングル第2弾。ロサンゼルスのスタジオ“ララビー・サウンド”で録音が行われたセカンド・アルバム『ジグザグ』の収録曲。アルバムにはデイヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドン、ジム・ケルトナー等、錚々たる面々がスタジオミュージシャンとして参加している。ダニー・コーチマーのギタープレイが印象的な本作は、リゾート感に溢れたサマーソング。多賀の下で陽水、小椋作品を手がけていた元ザ・モップスの星勝が編曲にあたった。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:星 勝

  3. 片隅にひとり

    サード・アルバム『By My Side』に先行してリリースされた5枚目のシングル。アルバムでは1曲目に置かれた。ムード歌謡にも通ずるような曲調を受けて、来生えつこは俗っぽい都会の風情を詞に想い描いたという。ジャケット写真は、コーデュロイのジャケットにハンチング帽で葉巻を吹かした来生自身のポートレートが使われており、銀座であつらえたというそのコスチュームはギルバート・オサリバンの初期のスタイルを意識していた。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:星 勝

  4. そして、昼下がり

    6枚目のシングル。リリースから1週間後に公開された、三浦友和主演の東宝映画『黄金のパートナー』の主題歌に起用され、エンドロールで来生本人が本曲を歌って出演している。編曲は松任谷正隆。高中正義とともに音楽を担当した映画では、ほかにも「ゆるやかに愛が・・・」「夢のトライアル」「潮風のソネット」が挿入歌となった。歌手デビュー3年目にして初めてオリコンチャートにランクインした曲でもある。オリジナル・アルバムには未収録だった。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:松任谷正隆

  5. あなただけ Good Night

    シングル第7弾は、愛川欽也と小川真由美が主演した朝日放送系ドラマ『見知らぬ恋人』の主題歌に使用された。ドラマの撮影現場では、出演者やスタッフが毎回本曲を合唱してから本番に臨んでいたそう。来生えつこは、姉弟作 品の中で最も好きな一曲と語っている。タイトルは吹き替え版で愛川がジャック・レモンの役を演じた、ビリー・ワイルダーの映画『あなただけ今晩は』のオマージュ。4枚目のアルバム『Natural Menu』に収録された。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:松井忠重

  6. ほんのノスタルジー

    5枚目のアルバム『AT RANDOM』に収録された、通算8枚目のシングル。アルバムでのタイトル表記は「ほんの、ノスタルジー」とされている。10年以上前に作られていた曲に少し手が加えられ、アルバムのバランスに合わせて軽快な仕上がりとなった。来生えつこの詞にはかつて彼女が利用していたという東海汽船の出航風景がイメージされており、一節にある「名残りの曲」とは、彼女の記憶によれば「蛍の光」であったという。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:星 勝

  7. Goodbye Day

    1980年11月リリースのアルバム『来生たかお』で発表された後、シングル第10弾としてリリース。加山雄三が主演したフジテレビ系ドラマ『愛のホットライン』の主題歌で、ディレクターの提案により歌詞が先に書かれた。有線放送で1位を獲得して話題となる。アルバム『Sparkle』に収録されているのはエンディングが長めの別ヴァージョン。大ヒットにこそ至らなかったものの、来生作品でも指折りのスタンダードナンバーとなっている。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:松井忠重

  8. 夢の途中

    薬師丸ひろ子へ提供された「セーラー服と機関銃」との競作盤となった第11弾 シングル。当初は『セーラー服と機関銃』の主題歌を依頼された来生の歌が本編で使われる予定だったが、相米慎二監督の提案で主演の薬師丸が歌うことに。しかし映画にも関与していた多賀は両方ともヒットさせると宣言してその通りとなった。25周年記念アルバム『Dear my company』では“来生たかお Duet with 薬師丸ひろ子”ヴァージョンが新たに録音された。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:星 勝

  9. 気分は逆光線

    12枚目のシングル。大ヒットした「夢の途中」に続くシングル曲であったため、来生は曲作りに苦心したという。来生えつこもやはりプレッシャーを感じたとのこと。そんな彼らの苦労を全く感じさせないほどに、開放的な夏の雰囲気が漂う秀逸な作品が完成されて、前作には及ばないまでもスマッシュヒットとなった。山水電気のカーコンポ「Bardo」のイメージソングに起用され、CMには来生自身もピアノに向かう姿で出演している。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:星 勝

  10. シルエット・ロマンス

    大橋純子への提供曲のセルフカヴァーで、12枚目のシングル「気分は逆光線」のカップリング曲。サンリオによる出版シリーズのイメージソングとして作られたため、タイトルは最初から決められていた。前年11月にリリースされた大橋ヴァージョンとは一部メロディが異なり、大橋版は2番のサビ前で「シルエット」を転調して2回歌うが来生版にはそれがない。盟友・井上陽水は本曲に接し、来生の真摯な姿勢と楽曲の素晴らしさに感動したという。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお

  11. 疑惑

    前月にリリースされた8枚目のアルバム『遊歩道』からのシングルカット。13枚目のシングルだが、前作「気分は逆光線」と本作との間に、桃井かおりとのデュエット曲「ねじれたハートで」もリリースしている。フジテレビ系アニメ『みゆき』第27話で挿入歌に使用された。シングル盤のジャケット写真は小金井公園で撮影されたもので、来生がアップライトピアノの上で胡坐をかいたポーズは、ギルバート・オサリバンへのオマージュであった。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:星 勝

  12. 無口な夜

    通算14枚目のシングル。アルバム『Ordinary』にも収録されており、アルバム・ヴァージョンはアレンジが異なる。もともとはスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『E.T.』のイメージソングの依頼で作られたらしいが、結局その企画は流れて、TBS系ドラマ『積木くずし 親と子の200日戦争』のテーマソングに使われる。同ドラマの重い内容を緩和させる役割を果たした。フジテレビ系アニメ『みゆき』でも、第31話の挿入歌として使用された。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:福井 峻

  13. 吐息の日々

    9枚目のアルバムとなった『Ordinary』の先行シングル。来生えつこは、歌詞にモデルを特定せず、ミステリアスな曲調に合わせて自然に発想したという。ディスコタッチの仕上がりは来生の快心作で、当初からシングル曲として意識し、候補として練られた曲の中で最後の最後に作られたものであった。本作のレコーディングと前後して、松田聖子のコンサートにゲスト出演し、提供曲の「SUNSET BEACH」でピアノ演奏を披露している。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:星 勝

  14. 白いラビリンス(迷い)

    通算17枚目のシングル。ポール・モーリアのプロデュース及び全編曲による、提供曲のカヴァーとオリジナル曲「今のままでいて」で構成されたアルバム『LABYRINTH』に収録された。中森明菜へ提供された「白い迷い(ラビリンス)」のセルフカヴァー。当初は中森のシングル曲の候補として作られながらもアルバム収録となり、来生が自身のシングルとしてリリースした。メロディは小栗康平監督の映画『泥の河』をイメージして作られたという。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:ボール モーリア

  15. そっと MIDNIGHT

    椎名和夫が全アレンジを手がけた10枚目のオリジナル・アルバム『ROMANTIC CINEMATIC』に先行してリリースされた通算16枚目のシングル。帯のコピーに“君の瞳に乾杯。来生たかおのシネマコレクション”とあるように、往年の映画作品をイメージして作られたアルバム。来生自身がプロデュースを手がけ、これがアナログ・レコーディングによる最後のアルバムとなる。本曲はLPにおけるSIDE 2の1曲目に置かれていた。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:椎名和夫

  16. はぐれそうな天使

    通算18枚目となるシングル。HONDA「today」のCFイメージソングに起用され、翌1986年には岡村孝子によるカヴァー・ヴァージョンが、1987年にはインストゥルメンタル・ヴァージョンが使われることとなった。岡村のカヴァー・シングルも1986年3月にシングル・リリースされている。来生版と同村版とでは、Aメロの一部が異なっている。この後11月にリリースされた11枚目のアルバム『ONLY YESTERDAY』にも収録された。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお

  17. 夢より遠くへ

    JR東日本「びゅうJAPAN」のテレビCMイメージソング。レコードからCDの時代へ移行した後、最初にCDで出された通算25枚目のシングル。16枚目のオリジナル・アルバム『永遠の瞬間』にも収録されている。カップリングには提供作品のセルフカヴァー・アルバム『Visitor』収録の「セカンド・ラブ」の新録ヴァージョンが収められた。ヒットの予感がする曲のタイトルには“夢”を配するという、来生えつこの拘りが活かされた作品であった。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:新川 博


PROFILE 来生たかお

鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

1950年11月16日、東京・大森に生まれる。大学時代に3人組のバンド“ビコーズ”を結成。音楽喫茶に出演し、そこでアンドレ・カンドレと称していた井上陽水と出会い、井上・来生の2人で、関東近辺のライヴやラジオ番組に出演するようになる。その後、井上や小椋佳のディレクターとなった多賀英典と知り合い、井上のファースト・アルバム『断絶」にアコースティック・ギターで参加。キティレコードでインスペクターの業務に就きながら多賀へデモテープを持ち込み、その中の1曲で姉えつことのコンビ作による「酔いどれ天使のポルカ」が、1974年3月に出された亀渕友香のアルバム『Touch Me, Yuka』に収録され、姉弟ともに作 家デビューとなった。

多賀から歌手としてのデビューを示唆され、それから約2年半経った1976年10月1日に、シングル「浅い夢」でデビューして、シンガーソングライター来生たかおの誕生となった。同月にリリースされたファースト・アルバム『浅い夢』は、アレンジャーやスタジオミュージシャンとして、元ザ・モップスの星勝や、高中正義、高橋幸宏、小原礼、今井裕、後藤次利らサディスティック・ミカ・バンドのメンバーが参加し、満を持して製作された。

1977年には、しばたはつみに提供した「マイ・ラグジュアリー・ナイト」がヒットして作詞した姉とともに一躍脚光を浴び、楽曲提供の依頼が次々と舞い込む。もともとは姉へのコンプレックスがあり、彼女がしたためていた詩に曲を付けてみたところからコンビでの作品がスタートしたという。やがて、弟がピアノで弾いた曲をテープに録音して姉に渡し、作詞するスタイルに定まった。伊東ゆかりや桃井かおりへのアダルティックな作品などを手がける一方、来生自身もコンスタントに楽曲をリリースし、1980年4月には初の全国コンサートツアーを開催。

1981年にはドラマ主題歌に起用された10枚目のシングル「Goodbye Day」がスマッシュヒットとなる。さらにシングル「夢の途中」をリリース。薬師丸ひろ子の競作シングル「セーラー服と機関銃」とともに大ヒットして来生の顔と名前が広く知れ渡り、楽曲提供もさらに増えてゆく。特にアイドルソングの依頼が集中した。中森明菜のデビュー曲「スローモーション」もそのひとつで、その後のシングル「セカンド・ラブ」では1983年の第3回日本作 曲大賞で大賞を受賞している。自身のアルバムも初のセルフプロデュース作『Sparkle』(1981年)や、過去の映画作品を題材にした『ROMANTIC CINEMATIC」(1984年)といった傑作が連なる。

自身の音楽の基本はノスタルジーであると語る。移ろう時の中で人々の嗜好も目まぐるしく変化してゆく中、不変のスタイルで曲を作り続け、その都会的で哀愁を帯びたマイルドな作品群は、70~80年代のジャパニーズポップスに欠かせなかった。デビュー・アルバムから最新作に至るまで一貫した作風で、今も色褪せない日本ポピュラー音楽史上に残るスタンダードナンバーを数多く世に送り出している。

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