国内アーティスト尾崎紀世彦/スーパー・ベスト
尾崎紀世彦/スーパー・ベスト
商品名 尾崎紀世彦/スーパー・ベスト
発売日 2023年11月22日
商品コード MIUM-3168
JANコード 4571117356138
定価(税込) 2,200円
収録時間 65分08秒

「また逢う日まで」から30年のヒット「サマー・ラブ」まで、レーベルを越えて心に沁みるベスト・ナンバーを集めました。


解説・歌詞カード付


収録内容


  1. また逢う日まで 1971年3月5日発売

    71年3月にリリースされた2枚目のシングル。もともとは69年に三洋電機エアコンのCMソング候補として作られながらも採用されず、改編されて翌70年にズー・ ニー・ヴーが「ひとりの悲しみ」のタイトルでリリース。その際に作詞した阿久悠がさらに詞を一新して尾崎が歌いヒットに至った。初のレコード大賞と歌謡大賞のダブル受賞曲。作曲の筒美京平の代表作のひとつであり、70年代の歌謡曲における最高峰の作品である。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:阿久悠 作曲・編曲:筒美京平

  2. さよならをもう一度 1971年7月25日発売

    「また逢う日まで」に続く3枚目のシングルとして71年7月リリース。同時発売だった『また逢う日まで/尾崎紀世彦セカンド・アルバム』にも収録された。カップリング曲の「夕やけの誓い」とともに、作詞・阿久悠、作曲・川口真による作品で、筒美の「また逢う日まで」のような派手さはないものの、尾崎の雄大でパワフルな歌唱に魅了される。チャート最高2位のヒットを記録した。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:阿久悠 作曲・編曲:川口真

  3. ふたりは若かった 1972年3月25日発売

    72年の第1回東京音楽祭参加曲。世界大会にも進出して第3位入賞の栄誉に浴した。ジャケットには「尾崎紀世彦ラブ・ロック・サウンドに挑戦!」というコピーが掲げられている。抑え気味のヴォーカルで若き日を振り返る大人の歌であり、何度も繰り返されるサビの詞が印象的な、阿久×筒美のコンビ作。72年3月にリリースされた6枚目のシングルだった。ドラムでつのだ☆ひろが参加しているのは、尾崎からの直々の依頼であったという。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:阿久悠 作曲・編曲:筒美京平

  4. 愛する人はひとり 1971年11月25日発売

    オリジナル・シングルでは「さよならをもう一度」の次曲にあたるが、間にカヴァー企画盤の「雪が降る」を挟んだために通算5枚目のシングルとなる。71年11月リリース。滑らかなリズム運びと穏やかながらも力強いメロディが一体となった本作は、盤石の阿久×筒美コンビによるもの。翌月12月リリースの『尾崎紀世彦アルバムNo.4』にも収録される先行シングルとなった。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:阿久悠 作曲・編曲:筒美京平

  5. 忘れないわ 1971年7月25日発売

    オリジナルとカヴァー、半々で構成された、71年7月リリースの『尾崎紀世彦セカンド・アルバム』より。日本オリジナルの曲を数多く歌っていたアメリカ人歌手、ペギー・マーチが69年にヒットさせた曲のカヴァー。山上路夫の作詞、三木たかしの作曲による歌謡ポップス。外連味のない尾崎の歌唱で、親しみやすいメロディがより鮮やかに浮かび上がる。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:山上路夫 作曲:三木たかし 編曲:葵まさひこ

  6. 雪が降る 1971年10月25日発売

    サルヴァトール・アダモの歌でお馴染みのナンバー。作詞・作曲もアダモ自身によるもので、日本でも越路吹雪をはじめ、多くの歌手がレパートリーとしたシャンソンのスタンダードとして知られている。尾崎版の訳詞は安井かずみ。71年7月のセカンド・アルバムに収録の後、同年10月にはやはりカヴァーされる機会が多い佐々木勉の「あなたのすべてを」をカップリングにシングルカットされた。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞・作曲:S.Adamo 訳詞:安井かずみ 編曲:利根常昭

  7. 帰り来ぬ青春 1974年4月1日発売

    フランスのシンガーソングライター、シャルル・アズナヴールが64年に発表した作品。ビングクロスビーやシャーリー・バッシーの歌でも知られ、日本でもザ・ピーナッツや弘田三枝子など多くの歌手に歌われており、尾崎のカヴァーは74年4月リリースの『LET ME TRY AGAIN 許しておくれ/尾崎紀世彦アルバム No.8』所収。従来のシャンソンとは趣を異にしたポップスアレンジとなっている。劇団四季の女優から詩人へ転向した吉原幸子が訳詞を手がけている。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞・作曲:C.Aznavour 訳詞:吉原幸子 編曲:萩田光雄

  8. ゴッドファーザー・愛のテーマ 1972年7月5日発売

    「こころの炎燃やしただけで」との両A曲扱いで72年7月にシングルリリースされてヒットした。同年のアメリカ映画『ゴッドファーザー』の主題曲としてニーノ・ロータが作曲し、サントラ盤が日本でも大ヒット。それに歌詞をつけたアンディ・ウィリアムス盤もヒットに至り、日本語版も出された。日本人でも多くの歌手にカヴァーされた中で、圧巻のヴォーカルを聴かせる尾崎版の印象が圧倒的である。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    日本語詞:千家和也 作曲:N.Rota 編曲:前田憲男

  9. 男と女が別れる時 1973年 9月5日発売

    通算12枚目のシングル「最後のくちづけ」カップリング曲として73年9月リリース。尾崎作品に多く見られる“別れ”をテーマにしており、安井かずみが作詞を手がけた。尾崎のオリジナル作品では初となる安井の詞は「また逢う日まで」を別角度から描いたような内容で興味深い。B面曲であり、当時のアルバムにも未収録だったため聴かれる機会が少ないが、隠れた傑作のひとつに挙げられる。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:安井かずみ 作曲・編曲:筒美京平

  10. かがやける愛の日に 1973年6月5日発売

    73年の第2回東京音楽祭参加曲。国内大会でゴールデンカナリー賞と歌唱賞を受賞し、第1回の「ふたりは若かった」と同様に世界大会に出場。銀賞を受賞した。受賞後の73年6月に11枚目のシングルとしてリリース。シングルチャートこそ上位には届かなかったものの実績を残した作品で、同じタイトルが掲げられたアルバム『かがやける愛の日に/尾崎紀世彦 Kieyo Now』も作られている。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:阿久悠 作曲:筒美京平 編曲:葵まさひこ

  11. 許しておくれ 1974年3月25日発売

    74年3月にリリースされた13枚目のシングル。前作の安井かずみに替わってなかにし礼が作詞に起用され、カップリングの「この道は遠けれど」とともに作曲の筒美京平とコンビを組んだ。直後には本曲がフィーチャーされた『許しておくれ LET ME TRY AGAIN/尾崎紀世彦アルバムNo.8』もリリースされている。「ジョニィへの伝言」「メリー・ジェーン」や「やさしく歌って」など、国内外のポップス・ナンバー中心のアルバムであった。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:なかにし礼 作曲・編曲:筒美京平

  12. My Better Life 1979年10月1日発売

    70年代のラストシングル。山川啓介の作詞、大野雄二の作曲・編曲という、それまでになかった作家チームによる人生歌を情感豊かに歌い上げている。ビーバーエアコン冬のキャンペーンソングに起用された。「Only Yesterday」とのカップリングで、79年10月に日本コロムビアからリリースされたシングルは通算21枚目にあたる。ソロデビュー10年目を迎えて研鑽されたヴォーカル、揺るぎない安定感が窺える。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:山川啓介 作曲・編曲:大野雄二

  13. 最後のくちづけ 1973年9月5日発売

    “「しのび逢い」に続いてキーヨが唄い上げる悲恋の世界!”と銘打たれ、73年9月にリリースされた通算12枚目のシングル。安井かずみの切ない詞がダイナミックかつ繊細に歌われ、尾崎が別れの歌で特に抜群の表現力を発揮していたことを実感させられる。翌年のシングル「愛こそすべて」が初収録された74年のベストアルバム『尾崎紀世彦フェイバリット・コレクション 愛こそすべて』にも収められた。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:安井かずみ 作曲・編曲:筒美京平

  14. 別れの夜明け 1970年8月25日発売

    歌手・尾崎紀世彦の歴史はここから始まった。70年8月にフィリップスレコードからリリースされたソロ第一弾シングル。作曲は既に筒美京平だが、作詞で先陣を切ったのは、阿久悠ではなく山上路夫だった。当時の宣材に新人・尾崎紀世彦のコメントが掲載されている。「(前略) 非常にスケールが大きく、大変よい曲と感謝しております。まだ未熟ですが一生懸命に唄います。皆様よろしくお願いします。」

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:山上路夫 作曲・編曲:筒美京平

  15. 太陽は燃えている 1971年5月25日発売

    「ラスト・ワルツ」などで知られるイギリスのポピュラー歌手、エンゲルベルト・フンパーディンクが70年にヒットさせた曲のカヴァー。71年5月リリースの『尾崎紀世彦ファースト・アルバム』に収録された。洋楽カヴァー全14曲で構成されたアルバムでは、やはりフンパーディンクのヒット曲である「ラスト・ワルツ」のほか、エルヴィス・プレスリーやトム・ジョーンズの楽曲が歌われている。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:M.Rigual 作曲:C.Rigual、C.Martinoli 英語詞:M.Vaughn

  16. 男の世界 1971年5月25日発売

    『尾崎紀世彦ファースト・アルバム』より。チャールズ・ブロンソンが出演したマンダムCMソングに使われたジェリー・ウォレスの歌のカヴァー。原題は「LOVERS OF THE WORLD」。CMとともに出された日本独自のシングルが大ヒットして、長い間ヒットチャートを席巻した。日本人ではカントリー歌手の斉藤任弘が「マンダム~男の世界」としてカヴァーしたが、男性らしさが押し出された尾崎の歌唱もさすが。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞・作曲:M.Cain, H.Cain 編曲:青木望

  17. この胸のときめきを 1971年5月25日発売

    65年にイタリアのサンレモ音楽祭で歌われた曲で、翌年にイギリスの歌手、ダスティ・スプリングフィールドが歌ってヒット。70年にはエルヴィス・プレスリーがカヴァーしてヒットさせた。英語版のタイトルは「You Don't Have to Say You Love Me」。尾崎版は岩谷時子の訳詞で歌われており、ポピュラーソングのカヴァーで構成された『尾崎紀世彦ファースト・アルバム』の冒頭を飾った。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:V.Pallavicini 作曲:P.Donaggio 訳詞:岩谷時子 編曲:渋谷 毅

  18. 好きにならずにいられない 

    『尾崎紀世彦ファースト・アルバム』より。61年にエルヴィス・プレスリーの主演映画『ブルー・ハワイ』のために書かれた楽曲で、ジャン・ポール・マルティー ニの歌曲「愛の喜びは」が元になっている。エルヴィスのシングルは全米のヒットチャートで2位、全英では1位を獲得した。イギリスのサッカークラブチームがアンセムとして使用するなど、世界的なスタンダードナンバー。尾崎のカヴァーは前田憲男のアレンジによるもの。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞・作曲:G.Weiss、H.Peretti、L.Creatore 編曲:前田憲男

  19. ラブ・ミー・トゥナイト 1971年5月25日発売

    尾崎のポピュラーカヴァーの真骨頂ともいえる本作も『尾崎紀世彦ファースト・アルバム』収録曲。前田憲男がアレンジを手がけている。原曲はイタリアのカンツォーネで、ダイナミックでセクシーな歌唱に定評があるイギリスのポピュラー歌手、トム・ジョーンズが69年にヒットさせた。アルバムでは「思い出のグリーン・グラス」や「最後の恋」もカヴァーしており相性は抜群。尾崎が“和製トム・ジョーンズ”と呼ばれたのも頷ける。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:D.Pace 作曲:L.Pilat、M.Panzeri 英語訳:B.Mason 編曲:前田憲男

  20. マイ・ウェイ 1973年6月発売

    67年にクロード・フランソワが作ったフランス語の歌が原曲。ポール・アンカがフランク・シナトラのために新たに英語の詞を書き、69年に発売されると世界的なヒットとなる。エルヴィス・プレスリーをはじめ多くの歌手がカヴァーし、日本人では布施明がシングルリリースしたほか、加山雄三の歌唱も出色。尾崎のライヴヴァージョンは、73年のアルバム『in person KIEYO/尾崎紀世彦“ライブ”』より。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:G.Thibaut 作曲:J.Revaux、C.Francois 訳詞:岩谷時子 編曲:前田憲男

  21. サマー・ラブ 1987年3月2日発売

    アサヒビールのCMソングとして87年3月に当時のCBSソニーからリリース。CFに出演したプロゴルファーの尾崎将司も歌って競作盤となった。作詞は「許しておくれ」などのなかにし礼、作曲は井上忠夫時代に「哀しみの追跡」を提供した井上大輔。前田憲男がアレンジしている。尾崎は爽やかに歌うことを心がけたという。久々のヒットを記録して、本曲収録のアルバム『Memories of Summer Love』も制作された。

    【解説】鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

    作詞:なかにし礼 作曲:井上大輔 編曲:井上大輔、前田憲男


尾崎紀世彦
Profile

尾崎紀世彦は1943年1月1日、東京都渋谷区で男3人兄弟の次男として生まれた。小学校に入学してからは神奈川県茅ヶ崎市で育つ。父と兄はクラシックバレエのダンサー、母は日劇ダンシングチームの一期生だった。父方の祖父はイギリス人のクォーターである。幼少の頃からジャズやカントリー音楽に親しみ、1958年にハワイアンバンド「ヒロ・ハワイアンズ」を結成。1965年にカントリーバンド「ジミー時田とマウンテンプレイボーイズ」に参加した後、1967年からはコーラスグループ「ザ・ワンダース」で活動し、別名義の「ジ・エコーズ」で特撮テレビ映画『ウルトラセブン』の主題歌を歌っていたことは有名だろう。
1970年にはいよいよソロ歌手として「別れの夜明け」でフィリップス・レコード(日本フォノグラム、現・ユニバーサル ミュージック) からデビュー。2枚目のシングル「また逢う日まで」が大ヒットして一躍スターとなり、「キーヨ」の愛称で親しまれることに。「また逢う日まで」は第13回日本レコード大賞と第2回日本歌謡大賞をダブル受賞して、ミリオンセラーとなった。続けて「さよならをもう一度」「愛する人はひとり」などダイナミックな歌唱でヒットを連発した。その後も抜群の存在感と表現力で活躍する中、1987年に当時のCBSソニーから出された「サマー・ラブ」が久々のヒットとなる。
90年代は原点に帰ってジャズやハワイアン、カントリーのライブを定期的に開催するなどして健在ぶりを 示した。2011年春から病気療養していたが、2012年 5月30日に69歳で没。2023年は生誕80周年にあたる。

プロフィール文:鈴木 啓之 (アーカイヴァー)

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