国内アーティスト | アン・ルイス/TREASURE COLLECTION BEST OF ANN LEWIS |
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商品名 | アン・ルイス/TREASURE COLLECTION BEST OF ANN LEWIS |
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発売日 | 2021年11月10日 |
商品コード | MIVE-3131/2 |
JANコード | 4571117355902 |
定価(税込) | 2,860円 |
収録時間 | DISC-1:73分22秒
DISC-2:78分19秒 |
71年「白い週末」でデビュー、「グッド・バイ・マイ・ラブ」でヒットしたアイドル路線の時代から、ディスコ~シティ・サウンドを山下達郎/竹内まりや、吉田美奈子らと作り上げた時代、百恵さん作詞楽曲「ラ・セゾン」で始まった歌謡ロック路線~「六本木心中」で火が付く黄金期のヒット曲の数々、90年代に入っても良質な楽曲を出している熟成期まで、アン・ルイスの歴史を堪能できる全37曲・CD2枚組豪華ベスト。
「グッド・バイ・マイ・ラブ」「恋のブギ・ウギ・トレイン」「ラ・セゾン」をはじめ、「六本木心中」「あゝ無情」「WOMAN」など、71年デビューから歌謡ロックな黄金期の80-90年代まで、アン・ルイス・ヒストリーを完全収録!!
歌詞・楽曲解説付
試聴できます
JASRAC許諾第S2011253706
楽曲解説
アン・ルイスを見出したなかにし礼作詞による71年デビュー曲。当時14歳あどけない日 本語歌唱に、2番は英語詞歌唱、グルーヴィーなアイドル歌謡ポップス曲。
アン・ルイス初のヒット曲にして、作詞家なかにし礼の代表作。ヒットメイカー平尾昌晃の耳に残るメロディも秀逸。途中で入るアンの流暢な英語のセリフが楽曲を引き立てます。
大ヒット曲「グッド・バイ・マイ・ラブ」のゴールデン・コンピなかにし礼と平尾昌晃による、アメリカン・ポップスをベースにしたシングル・ナンバー。
アン自身が荒井由実(松任谷由実)に依頼をして書いてもらった楽曲。録音現場での荒井由実に刺激を受けたアンの転換期。ビーチボーイズ風のコーラスは山下達郎。
シングル「女はそれを我慢できない」B面曲。アンならではの湘南ポップス。事務所の先輩沢田研二を手掛けていた作曲家加瀬邦彦(ザ・ワイルドワンズ)が全面バックアップしたアルバム「シンクピンク!」に収録。
自らのアニーズ・バンドを率いて、加瀬邦彦と共に自分の音楽スタイルを創り上げた“歌謡ロッグ”の息吹が感じられるシングル第一弾。ごった煮ポップスなアルバム「シンクピンク!」に収録。
加瀬邦彦と共に自分の音楽を表現したシングル第二弾。歌謡ポップスとロック、ディスコなどの洋楽テイストとの折衷、第一歩な意欲作「シンクピンク!」に収録。
山下達郎&吉田美奈子による和モノ・ディスコブギーの大名曲。再評価著しい、山下達郎プロデュースによるアーバンなディスコファンクアルバム「ピンク・キャット」収録曲。
結婚前の桑名正博&下田逸郎のコンビによる楽曲。ブルージーな黄昏系AORで、バックは桑名正博&TEARDROPS。アルバム「ピンク・キャット」収録曲。
加瀬邦彦とのシングル三部作のラスト・シングル。今作で、確立されたボーカル・スタイルが堪能できる。YMOのメンバーなども参加した山下達郎プロデュース・アルバム「ピンク・キャット」収録曲。
山下達郎&吉田美奈子による国産ディスコ傑作、シングル・オンリー作品。翌80年には英語バージョンも発売。後年、達郎自身もライブ「JOY」(89年)にて収録。
山下達郎がアン・ルイスに提供した珠玉のバラード曲。アルバム「ピンク・キャット」収録曲。その後、山下久美子がカバーし、達郎自身も「ポケット・ミュージック」(86年)、竹内まりやも「turntable」(18年)にて発表。
親友竹内まりやがアンと桑名正博との結婚祝いに提供した作品。リンダは、アンのミドルネーム。アルバム「リンダ」収録曲。コーラスは山下達郎&まりや。まりや自身はアルバム「PORTRAIT」(81年)にて発表。
元々は大瀧詠一から、アンのために提供された楽曲。吉田美奈子、ラッツ&スターなどの多くのバージョンが存在する希代の名曲。今作ではオールディーズカバーアルバム「CHEEK II」から英語バージョンを収録。
引退後の三浦百恵(山口百恵)&沢田研二による、アン結婚、出産を経ての衝撃の復帰作。ギターサ ウンドとニューウェーブが融合された大ヒットシングル。アルバム「LA SAISON D'AMOUR」収録。
当時、スクーターのCMソングとしてヒットしたシングル。後に「六本木心中」を大ヒットさせるNOBODY×伊藤銀次のタッグ作品。アルバム「HEAVY MOON」収録曲。
アン・ルイス作詞・NOBODY作曲による作品。初の海外レコーディング、全曲ロンドン録音アル バム「I Love Youより愛してる」オープニングを飾る楽曲。後に友人でもある早見優もカバー。
「六本木心中」「あゝ無情」など数々のヒット作を放つNOBODY(相沢行夫・木原敏雄)によるミドルヒット・シングル。作詞は「ラ・セゾン」に続き、三浦百恵(山口百恵)。
Charが全面プロデュースした本格ロックアルバム「HEAVY MOON」収録曲。ピンク・クラウドによるシンプルなロック・サウンドとアンの歌声がベストマッチした歌謡+シティポップ+ロックな楽曲。
渡辺プロのロック・セクション、ノンストップの盟友大沢誉志幸提供によるニューウェーブ感覚あふれるシングル曲。全曲伊藤銀次編曲「ROMANTIC VIOLENCE 」収録。
JASRAC許諾第S2011253706
サンハウスの柴山俊之と伊藤銀次による楽曲、アルバム「ROMANTIC VIOLENCE」収録。ドライブ感満点のキャッチーなハードロック作品、後にライブ定番曲となる。
湯川れい子×NOBODYの黄金タッグによるアン・ルイスの代名詞とも言えるヒットシングル。シング ル・バージョンには冒頭のカウント有無の2種類があり、ヒットしたのは今作収録の刷新バージョン。
湯川れい子×NOBODYのヒットコンビ第二弾シングル。ニューウェイブなサウンドとハードなギター、アンの妖艶な歌声が人気の楽曲。アルバム「Dri夢・X-T-C」収録。
ジャパンメタルの雄ACTIONの高橋ヨシロウが提供したライブで定評のあるロック・ナン バー。“女”をコンセプトにしたアルバム三部作、第一弾アルバム「遊女」オープニング曲。
湯川れい子×NOBODYの黄金タッグによる「六本木心中」に続く、アンの代表作。日本語をロックのリズムにのせた“歌謡ロック"の最高峰。「女」シリーズ第一弾アルバム「遊女」収録。
日本有数のHRバンド・EARTHSHAKERの西田昌史(マーシー)が提供したロック・チューン。宝飾メーカーのCMソングとして大ヒット。「女」シリーズ第二弾アルバム「女神-JOSHIN-」収録。
「あゝ無情」「天使よ故郷を見よ」に続く女をコンセプトにしたロック・シングル。「女」シリーズ第三弾アルバム「女息-MEIKI-」収録。
アンの新境地を切り開いたヒット・シングル。女性のプライド溢れる歌詞とアンの包み込むようなオーカルで、アンの新しい世界観を構築したロック・バラード。ハードなイントロはアンのこだわり。
アン自身がロック・バラードを追求したシングル曲。スケールが大きい壮大なアレンジとアンの伸びやかでハスキーな歌声がベストマッチ。本作も歌詞は石川あゆ子。
洋酒メーカーのCMタイアップ・ソング。ハードなギター・リフとアンのハスキーな歌声で聴かせるシングル曲。LAレコーディング・アルバム「RUDE」収録曲。
1年の充電期間を経ての92年発売シングル、人気の高いロック・バラード。作詞は当時新進気鋭の岩里祐穂。プロデューサーに土橋安騎夫(レベッカ)を迎えLAレコーディングされたアルバム「K-ROCK」収録曲。
ミニー・リパートンの名曲を日本語でカバーしたシングル・オンリー曲。アン・ルイスならではの壮大でロマンティックな仕上がりで人気のバージョン。化粧品のCMタイアップ・ソング。日本語詞は石川あゆ子。
多くの名ギタリストと競演しているアン、今作では元オジー・オズボーン・バンドのジェイク・E・リーが参加。以降の作品を多く手掛ける米国LAのプロデューサーKim Bullardによるアルバム「ROCKADELIC」収録曲。
アンの成熟したヴォーカルと表現力、レゲエ・タッチの楽曲で大人の魅力溢れるCharとの共作シングル。Kim Bullardプロデュースのアップトゥデイトなアルバム「PIERCER」収録。
松井五郎×玉置浩二の黄金コンビによる切ないラブバラード。アンが歌うことで、さらに進化した歌謡ロックに昇華。全編に渡り高水準な歌謡ロックアルバム「LA ADELITA」収録曲。
クラブやラウンジの手法を取り入れた、さらに進化を魅せるアンの意欲がうかがえるアダルトな楽曲。化粧品のCMタイアップ・ソング。プロデューサーKim Bullardとの完成形アルバム「FETISH」収録。
新しい作詞家や作曲家と組むことで、独自の新しい世界を創り上げるアン、今作では作曲に五島良子を起用。アン作詞によるセクシュアルな表現とささやくようなヴォーカルに感極まる大人ラブバラードが完成。
鈴木啓之 (アーカイヴァー)
アン・ルイスは1956年に神戸で生まれた。米国人の父と日本人の母を持つハーフで、その恵まれた容姿を活かして幼少時からモデルとして活動する。横浜で暮らしていた1970年、作詞家のなかにし礼にスカウトされたのがきっかけで、1971年2月にビクターから「白い週末」で歌手デビュー。翌年に開催を控えていた札幌冬季オリンピックがテーマとされた曲だった。同じ年に小柳ルミ子や天地真理もデビューした渡辺プロダクションに所属し、当初はアイドル的なポジションであったため、やはり同じ事務所からゴールデン・ハーフがデビューする際のメンバー候補でもあったらしい。
結局はソロ・デビューとなり、曲もしばらくは可愛らしい歌謡ポップス路線が敷かれる中、初めての大きなヒットとなったのが、1974年の「グッド・バイ・マイ・ラブ」である。歌手デビューへと導いたなかにし礼の作詞で、やはりヒットメーカーだった平尾昌晃の作曲。どこか懐かしさを感じさせる傑作は、アンの秀でた歌唱力をも引き出した。以降はオールディーズ調のミディアムテンポの作品が続く。
1977年にはユーミンが提供した「甘い予感」をリリースしている。いよいよ才能を発揮していた天才シンガーソングライター、ユーミンとの出逢いは大きかった。それまで与えられた曲をそのまま歌っていたのが、自分の色を出してもいいということに気づかされたそうで、その心境の変化から生まれたのが、いきなりのシフトチェンジとなった1978年の「女はそれを我慢できない」である。後に、“決してバラード嫌いではないけれど、まだ若かったから物足りない思いがしていた”と述懐しているアンにとって、ロック・スピリッツが開花した、ターニングポイントとなった一曲。
それまでの作品とは趣を異にしたロックテイストの「女はそれを我慢できない」は、ザ・ワイルドワンズのリーダーであり、沢田研二らへの作品提供で作曲家としての活躍も著しかった加瀬邦彦が作曲した。タイトルはジェーン・マンスフィールドが主演した50年代のアメリカ映画にインスパイアされたものであろう。ジュリーの「危険なふたり」を彷彿させるロック色の濃いナンバーは、もともとロック好きで激しいギターの音色が好みだったアンを大いに満足させた。続編ともいえる「女にスジは通らない」吉田美奈子×山下達郎が提供した「恋のブギウギ・ト レイン」など、ビジュアル面でも変貌を遂げて、いよいよファッションリーダーとしての存在を強めた“おしゃれ泥棒”が躍進を見せてゆく。
竹内まりや作の「リンダ」をヒットさせた1980年、結婚して出産・育児に専念するため一時休 業するも、1982年にカムバックを果たす。カヴァー・アルバム『CHEEK2』に収録された「夢で逢えたら」の英語ヴァージョンが「DREAMS(夢で逢えたら)」だが、様々な歌手が歌って大瀧詠一のエヴァーグリーンになっているこの曲は、もともとはアンのために書かれたものだったのだ。そして久々の新曲としてシングル・リリースされたのが、アン自らの企画で三浦百恵(山口 百恵)が作詞、沢田研二が作曲した「ラ・セゾン」であった。沢田への依頼に際しては、沢田の楽曲「ストリッパー」のような曲を書いてほしいと注文したそうである。
そして1983年、NOBODYが初めて曲提供したのが「LUV-YA」で、これが布石となり、翌1984年に「I Love Youより愛してる」、そしてさらにロック志向を強めた「六本木心中」が生まれ る。ドラマ主題歌に起用されたのも手伝って翌年にかけて大ヒットを記録することとなった。イントロで奏でられる北島健二のギターも素晴らしい傑作。フジテレビ『夜のヒットスタジオDELUXE』で見せた事務所の後輩にあたる吉川晃司との過激なパフォーマンスも話題を呼び、名シーンとして記憶される。さらに1986年には「あゝ無情」もヒット。「六本木心中」「ピンクダイヤモンド」「あゝ無情」の湯川れい子×NOBODYによる三部作でアンは、“自分は歌謡ロックで充分。ロック歌手だとは言いたくない”と発言している。正しく"歌謡ロックの女王”を極めたのだった。
以降、アナログからデジタルへと移行してゆく90年代に入ってからも、様々な作家陣と組みながら、コンスタントにリリースが続いた。特に「WOMAN」を皮切りに「Finish!」「夜に傷ついて」などを作曲した中崎英也とは多くの作品を共にしており、相性の良さを物語っている。1994年の「I'M IN LOVE」はアンが自ら作詞し、Charと一緒に作り上げた作品。円熟のヴォーカルが際立っている。1998年の「豹柄とPINK」も自らの作詞だった。この辺りの作品が、同時代に活躍を見せたB'ZやGLAYら、歌謡曲のテイストも感じさせるJ-ROCKの面々に与えた影響は決して少なくないだろう。
ロックをお茶の間に持ち込み、歌謡曲との橋渡し役を担った稀有なシンガー、アン・ルイスが、70年代以降の日本のミュージックシーンに果たした役割は極めて大きいのだ。