国内アーティストボニージャックス ベスト・セレクション
ボニージャックス ベスト・セレクション
商品名 ボニージャックス ベスト・セレクション
発売日 2023年05月17日
商品コード MIVE-3159
JANコード 4571117356404
定価(税込) 2,200円
収録時間 68分21秒

「ちいさい秋みつけた」から「ダニー・ボーイ」「遥かな友に」まで、優しいハーモニーで綴る珠玉の名曲集。


歌詞・解説付


収録内容


  1. さくら貝の歌

    作曲の八洲秀章が、若くしてこの世を去った恋人を偲んで自ら読んだ短歌をもとに、土屋花情が詞をつくり、八洲が曲をつけて生まれたのがこの曲。薄い紅色をしたさくら貝は美しい。が、殻は薄くもろい。美しくもはかない、亡き恋人への切ない思いが、哀愁溢れる旋律とともに聴く者の心をつつむ。時代を超えて歌い継がれる名曲である。このボニージャックスの録音は、1980年のアルバム「城ヶ島の雨』に収録されたもの。

    作詞:土屋花情 作曲:八洲秀章 編曲:小六禮次郎

  2. 緑の雨江の島

    この曲を作曲した磯部俶は、ボニージャックスの名付け親としても知られる。メンバーにとって磯部は早稲田大学グリークラブの大先輩であり、指導を受けた先生でもある。まさに恩師と呼ばれるに相応しい。歌は1980(昭和55)年、藤沢市民が親しめる新しい歌をつくろうという文化的活動がきっかけとなって生まれた。その翌年にはボニージャックスがレコーディングし、アルバム『青春の旅』の中で発表した。

    作詞:赤城芙士夫 作曲:磯部俶 編曲:小六禮次郎

  3. 宵待草

    とても短いこの詞には、実ることのなかった恋へのやるせない心情が込められている。実は宵待草という名の草花は無い。待宵草(マツヨイグサ)というよく似た名の草花があり、竹久夢二はこの花をモチーフにして言葉を紡いだとされる。待宵草(マツヨイグサ)は夕方から宵の頃に可憐な花を咲かせるが、一夜明けるとしぼんでしまう。咲いては散り、散っては咲く。花も恋も実に儚い。1980年発表のアルバム『城ヶ島の雨』より。

    作詞:竹久夢二 作曲:多忠亮 編曲:小六禮次郎

  4. ちいさい秋みつけた

    ボニージャックスの代名詞ともいえるこの歌は1962年にキングレコードにて録音、発売され、同年の『第4回日本レコード大賞』で童謡賞を受賞した、日本を代表する童謡。東京ドームのそばにある礫川公園にはぜの木がある。元はサトウハチロー邸の庭にあったもので、ハチローは紅葉したはぜの葉を見ながら、この詞をつくったという。当CD収録の音源は1978年にビクターで録音され、LP全集『にほんのうた 心のうた』に収録されたのが初出。

    作詞:サトウハチロー 作曲:中田喜直

  5. 浜辺の歌

    大正時代に生まれて以来、100年以上も歌い継がれる、日本を代表する唱歌である。美しい旋律は海外でも人気が高い。一般的に知られる歌詞は二番までであるが、このボニージャックスの録音では三番の歌詞まで歌われている。作曲の成田為三は秋田県の米内沢出身。同地には「浜辺の歌音楽館』があり、最寄りの米内沢駅では、「浜辺の歌」が電車の到着を知らせるメロディーとして使われている。1980年のアルバム「城ヶ島の雨』より。

    作詞:林古渓 作曲:成田為三 編曲:小六禮次郎

  6. 花のカノン

    この歌はボニージャックスが1984年に発表したシングル曲。人間の優しさを、四季折々に咲く花にたとえて歌い上げている。パッヘルベルの「カノン」と、チャイコフスキーの「花のワルツ」が融合したようなメロディーも聴く者の心に優しく響く。当時のレコードジャケットには、詩画作家・星野富弘が描いた作品『たんぽぽ』がフィーチャーされ、優しさがいっぱいのこの歌のイメージをより際立たせていた。

    作詞:ともろぎゆきお 作曲:峯陽 編曲:小六禮次郎

  7. この道

    アカシアといえば札幌の街。街にアカシアの香りが漂い始める頃、街では盛大な『札幌まつり』が始まり、人々は本格的な夏の訪れを歓ぶ。4番の歌詞に登場する山査子(サンザシ)は北海道には無いものの、やはり夏に甘い香りを匂わせる。作詞の北原白秋は、初めて見たであろうアカシアとその芳香に、幼い頃に見た生まれ故郷(九州・柳川) の山査子(サンザシ)の思い出を重ね合わせ、美しく郷愁あふれる詞を書き上げた。1980年録音。

    作詞:北原白秋 作曲:山田耕筰 編曲:小六禮次郎

  8. 夏の思い出

    この歌は、たとえ訪れたことがなくても、尾瀬の美しい風景を感じさせてくれる。この歌が世に出た1949年頃、尾瀬の自然は消失の危機にあった。ダム建設などの開発計画が進行していたからである。それを阻止しようと民間人が起こした尾瀬の自然保護運動は、文化人や行政も巻き込んだ大きなうねりとなり、のちにダム建設は凍結されるに至る。自然の大切さを訴え続けた人々の強い意志によって守られた尾瀬。そんなことを思いながらこの歌を聴くと、一味違った趣がある。1978年録音。初出はカセットテープのみ発売の『TopRun ボニージャックス』。

    作詞:江間章子 作曲:中田喜直 編曲:ボニージャックス

  9. みかんの花咲く丘

    この歌は終戦直後の1946年、NHK東京本局と静岡県伊東市の国民学校を結ぶラジオニ元放送の番組で披露するためにつくられた。歌の舞台になっている伊東は、有名なみかんの産地。オレンジロードと呼ばれる宇佐美地区にはみかん園が立ち並ぶ。園からは青い海が望め、みかんは勿論、歌の世界そのままの風景も楽しむことができる。伊東では郷土の歌として大切に歌い継がれ、JR伊東線の伊東駅と宇佐美駅の発車メロディーにもなっている。

    作詞:加藤省吾 作曲:海沼 実 編曲:神山純一

  10. 琵琶湖周航の歌

    「琵琶湖周航」とは1893(明治26)年に第三高等学校(現・京都大学)の水上運動部が琵琶湖で始めた競漕大会のこと。それから20有余年後の琵琶湖周航の際、クルーの一人だった小口太郎が、湖畔の今津にあった宿で自分の作詞した歌を披露、「琵琶湖周航の歌」が誕生した。その後、三高同窓会が寮歌として歌い継いで広まり、愛唱歌としても親しまれている。1962年にボニージャックスの歌がキングレコードから発売された。当CD収録音源は1979年の録音。

    作詞:小口太郎 作曲:小口太郎 編曲:若松正司

  11. 故郷の人々(スワニー河)

    この歌の作者は、アメリカのシューベルトをいわれたフォスター。1851年、フォスターが25歳の頃の作品で、日本では明治時代から唱歌として広く歌われている。当CD収録の歌は堀内敬三による訳詞だが、ほかに津川主一や勝承夫らによる日本語詞がある。また大和田建樹による「あわれの少女」というタイトルでも親しまれている。スワニー河はアメリカ・ジョージア州とフロリダ州を流れる川。原曲はフロリダ州の州歌に選定されている。1984年録音。

    訳詞:堀内敬三 作曲:フォスター 編曲:小六禮次郎

  12. ダニー・ボーイ

    この歌は、北アイルランドのロンドンデリーに古くから伝わる旋律に詞がつけられたもので、世界的テノール歌手、ジョン・マッコーマックが歌ったレコードが1913年に発売され大ヒット、その後もビング・クロスビー、エルビス・プレスリーらの大スターが歌い、世界的に知られるようになった。「ロンドンデリーの歌」としても有名。日本でも昭和初期に藤山一郎が「永遠の誓い」というタイトルで歌ってヒットさせるなど、多くの歌手によって愛唱されている。1978年録音。

    アイルランド民謡 訳詞: なかにし礼 編曲:小六禮次郎

  13. グリーンスリーヴス

    16世紀後半のエリザベス朝時代から歌われているという歴史を持つ、イングランドを代表する民謡。哀愁を帯びたメロディーは世界中の数多くのアーティストたちによって演奏され、歌われているので、誰もが一度は耳にしたことがあると言っても過言ではないだろう。管弦楽曲や讃美歌としても広く親しまれている。当CD収録の歌は門馬直衛が訳詞したもので、『世界の愛唱歌』という企画アルバムのために1980年に録音された。

    イングランド民謡 訳詞:門馬直衛 編曲:西脇久夫

  14. 黒い瞳

    この歌はロシア民謡として世界的に最も有名な歌の一つである。原詩はウクライナ生まれの作家、エフゲーニー・グリビョーンカが1843年に発表した。その後いくつかのメロディーがつけられたようだが、現在に伝わる情熱的な曲として完成したのは、ドイツ系ロシア人のフローリアン・ヘルマンが曲をつけた1884年だとされる。当CD収録の歌は1983年の録音で、『ボニージャックス25周年記念アルバム』にて発表された。

    ロシア民謡 訳詞:堀内敬三 編曲:服部克久

  15. トロイカ

    トロイカは三頭立ての馬橇のこと。この歌の原詩は、冬のヴォルガ川沿いにトロイカを走らせる御者が、恋する女性をお金持ちに奪われてしまったという煩悶を語る、実は悲しみに満ち溢れたもの。日本語詞には快活な言葉が並び、颯爽と走るトロイカを思い浮かべるが、原曲はそうではない。軽快で覚えやすい旋律は、小学校の音楽教科書にも掲載されており、子どもの頃に歌った記憶がある人も多いだろう。1980年のアルバム『ロシア民謡のタベI』より。

    ロシア民謡 訳詞:楽団カチューシ 編曲:服部克久

  16. 灰色の瞳

    アルゼンチンのケーナ奏者、ウニャ・ラモスが1973年につくった、日本でもよく知られるサンバの曲。当CDの音源は1978年の録音で、アルバム「君しのぶ夜~フォルクローレの旅」に収録されている。これはボニージャックスがビクターで発表した2作目のアルバムで、演奏はアルゼンチンにて、それも超一流のマエストロ、演奏家を起用して録音された。ボニージャックス結成20周年の年に相応しい、豪華な作品であった。

    作詞:T.Veliz 訳詞:加藤登紀子 作曲:U.Ramos 編曲:O.Requena

  17. 故郷を離るる歌

    ドイツ民謡のこの曲に日本語詞をつけたのは、唱歌「早春賦」の作詞者としても知られる吉丸一昌。1913年に自ら著した『新作唱歌 第五集』に詞と譜面が掲載されている。唱歌集発行の直前に、東京音楽学校の奏楽堂で行われていた土曜演奏会で発表された。自らが生まれ育った故郷を離れるときの悲しい心情を詠った詞は広く共感を集め、別れの歌として長く歌い継がれている。発表の場となった奏楽堂は上野公園内に移築復原され、『旧東京音楽学校奏楽堂』として一般公開されている。

    ドイツ民謡 訳詞:吉丸一昌 編曲:西脇久夫

  18. 精霊流し

    さだまさしと吉田政美のフォークデュオ、グレープが1974年に発表したシングル曲。精霊流しは初盆を迎えた遺族が故人の霊を弔うため、自分たちでつくった舟(精霊船)を曳きながら街中を練り歩く、長崎県各地を中心に行われるお盆行事。長崎では、爆竹、鉦や銅鑼の音を鳴り響かせ、賑やかに故人を送り出す。ボニージャックスの歌はソロ歌唱で始まるが、一声そして一声と少しずつ静かに重なってゆく様は、原曲とは一味違ったもの悲しさがあり、涙を誘う。1979発表のアルバム『旅情』より。

    作詞:さだまさし 作曲:さだまさし 編曲:小六禮次郎

  19. いい日旅立ち

    山口百恵が1978年に発表したシングル曲である。国鉄(現JR)のキャンペーンソングとしてテレビCMでも流れ、大ヒット曲になった。詞と曲をつくった谷村新司も、後に自身が歌うセルフカバーをリリースしている。旅情あふれる詞とメロディーは、新しい愛唱歌のスタンダードとして広がり続け、2006年には文化庁により『日本の歌百選』に選出されている。ボニージャックスによるカバー歌唱は、1980発表のアルバム『オホーツクの海』にて収録された。

    作詞:谷村新司 作曲:谷村新司 編曲:小六禮次郎

  20. 青春時代

    森田公一とトップギャランが1976年に発表したシングル曲である。青春時代と聞くと、青年期の若くて活き活きとしたイメージがあるが、実は歌詞にあるように迷って傷ついてもがく日々の連続ではなかったか。逆に中年や老年といわれる年頃になって“我が青春”を謳歌する人もたくさんいる。どうやら青春時代というものは、若い人たちだけの特権ではないことは確かである。ボニージャックスによるカバー歌唱は1982年の録音で、LP全集『心のうた愛唱歌150選』に収録された。

    作詞:阿久悠 作曲:森田公一 編曲:西脇久夫

  21. 見上げてごらん夜の星を

    この歌はもともと同名ミュージカルの主題歌としてつくられたが、1963年に坂本九がカバーしたレコードが大ヒット。坂本の主演で映画化もされた。愛がいっぱいの美しいバラードだが、歌に込められたメッセージは実は力強い。ボニージャックスの歌唱も、優しく語りかけているように聞こえるが、ぐっと引き寄せられるような力強さがある。 なのでできるだけ大きな音量で聴いていただきたい。感動が一段と大きくなるはず。LP全集「にほんのうた 心のうた』より。1978年録音。

    作詞:永六輔 作曲:いずみたく 編曲:小六禮次郎

  22. 遥かな友に

    この歌は磯部 俶が1951年につくった合唱曲。子守唄のようにしっとりとした歌で、実際に“子ども達”を寝かせるためにつくられたというエピソードがあ る。ただしその“子ども達” は大学一年生だというから面白い。ボニージャックスは1961年にこの曲のシングルをキングレコードから発表、これがヒット して一般にも広く知られるようになった。 ボニージャックスが育った早稲田大学グリークラブにおいて、この歌はソウル・ミュージックとして歌い継がれている。毎年行われている定期演奏会ではテナーソロでクロージングの曲として歌われ、四年生のメンバーはこの歌をもって巣立っていくという。当CD収録の音源は、1983年に結成25周年を記念してビクターで録音されたもの。

    作詞:磯部 俶 作曲:磯部 俶 編曲:磯部 俶


素晴らしき歌の伝道師=ボニージャックス

昭和30年代に花開いたコーラス・ブー ム。その萌芽は昭和初期にさかのぼりますが、戦後の昭和20年代になって各地の合唱連盟が組織化され、一気に全国的な盛り上がりを見せ始めます。学生コーラスは華ざかり、高校や大学でのコーラス部や合唱部は花形的な人気を博しました。学生たちは、『NHK全国学校音楽コンクール』や『全日本合唱コンクール』などの全国的な大会に出場するために、一生懸命に練習を重ねていたといいます。1951(昭和26)年、コーラス・ブームをリードしたダーク・ダックスがデビューし、大人気を博しました。1955(昭和30)年にはデューク・エイセスが、そしてその3年後の1958(昭和33)年、ボニージャックスが登場し、役者の揃い踏みと相成ります。

この3グループは“日本三大コーラス・グ ループ”と呼ばれ、お互いに切磋琢磨しながら素晴らしいコーラスで聴く者を魅力しました。また、歌に対する彼らの真摯な姿勢は、歌い継いでゆくことの大切さも私たちに教えてくれます。

そんな三大コーラスの“三男坊”・ボニー ジャックスの歌声を今回は皆さまにお届けします。収録されているのは、ビクター専属グループになった1978年から1984年までの録音楽曲です。抒情歌、童謡、流行歌、ロシア民謡、フォルクローレ、そしてオリジナル曲など、幅広いジャンルから厳選しました。では、“歌の伝道師”ともいわれるボニージャックスらしい、バラエティに富んだハーモニーをお楽しみください。


ボニージャックス プロフィール

早稲田大学の名門男声合唱団、『早稲田大学グリークラブ』に所属していたメンバーが集まり4人組コーラスとして活動開始したのが母体。民放ラジオ番組への出演がきっかけでプロ歌手を目指すようになり、1958(昭和33) 年、当時同グリークラブの常任指揮者で作曲家の磯部俶の命名により“ボニージャックス”が誕生。同年12月にプロとしてステージ・デビュー。テレビ、ラジオやCMソングと活動の場を広げ、翌'59年にキングレコードよりレコード・デビュー。1962年には「ちいさい秋みつけた」で日本レコード大賞童謡賞を受賞。翌年『NHK紅白歌合戦』に初出場。1970年代からは全国の過疎地の子どもたちに歌を届けるためのコンサート・キャラバンを自費で開始。1978年、肢体不自由児施設への訪問コンサートやイベントをはじめる。『車椅子のおしゃべり』と名付けられたこの活動はメンバーのライフワークとなる。施設の子どもたちの詩を歌にしたレコード・CD作品や詩集も発表。LPレコード『立山にうたう~車椅子のおしゃべり』は1983年、日本レコード大賞企画賞を受賞。また長年にわたる児童福祉や子どもたちへの自立支援の活動は、1997年度・児童福祉文化賞特別賞という形で厚生労働省の中央児童福祉審議会から表彰された。2011年に大町正人が、2021年に西脇久夫が死去。現在は鹿嶌武臣、玉田元康、吉田秀行(2003年加入)の3人で、優しいハーモニーを奏でつづけている。2022年よりコン サート・ツアー『ボニージャックスと共に』を全国で開催中。

ボニージャックス メンバー

西脇久夫 (トップ・テナー) 宮城県出身
大町正人 (セカンド・テナー) 東京都出身
鹿嶌武臣 (バリトン) 京都府出身
玉田元康 (バス) 旧満州出身
吉田秀行 (2003年加入 セカンド・テナー) 埼玉県出身
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