ピアノショパン・ピアノ・プレミアム 麗しき17の旋律~雨だれ
ショパン・ピアノ・プレミアム 麗しき17の旋律~雨だれ
商品名 ショパン・ピアノ・プレミアム 麗しき17の旋律~雨だれ
発売日 2020年05月20日
商品コード DYCC-4070
JANコード 4560427453644
定価(税込) 2,200円
収録時間 77分33秒

雨音のような旋律が、悲しく、優しく、こころに響く。
中村紘子、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、グールド...豪華ピアニストたちの華麗なる演奏で贈る至福のショパン名曲集。


楽曲解説付(Music commentary)


収録内容


  1. プレリュード第15番 変ニ長調 作品28-15 「雨だれ」 / 中村紘子

    ショパンが1839年にマヨルカ島で完成させた「24のプレリュード」のなかでもっとも規模が大きく、有名なのが第15番です。嵐のなか街に出た恋人ジョルジュ・サンドの身を案じながら作ったと伝えられています。「雨だれ」の愛称は、曲中通して奏される変イ音(中間部は嬰ト音)の連打が、雨のしずくを連想させることに由来します。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  2. 夜想曲 第2番 変ホ長調 作品9-2/アルトゥール・ルービンシュタイン

    ショパンは、アイルランドの作曲家フィールドが創始した甘美な小品の形式にもとづいて、より洗練された夜想曲を全21曲残しています。なかでも、1831年頃に書かれたこの「第2番」は、バルカローレ(舟歌)ふうの抒情的な曲想と詩趣あふれる旋律が印象的です。映画「愛情物語」のテーマに用いられて知られるようになりました。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  3. 練習曲 第3番 ホ長調 作品10-3 「別れの曲」 / ウラディミール・ホロヴィッツ

    ショパンの「練習曲」は作品10と作品25の全24曲の他、遺作の3曲があります。ショパン自身「これほど美しい旋律をこれまでに書いたことがない」と語ったという逸話をもつ「第3番」は作品10の第3曲です。1935年に日本公開されたショパンの伝記的作品、映画「別れの曲」に使われて以来、日本では「別れの曲」の愛称が定着しました。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  4. ワルツ 第7番 嬰ハ短調 作品64-2 / 仲道郁代

    ショパンのワルツのなかでもっとも有名なこの「第7番」は、“優美な舞踏詩”ともいわれています。祖国ポーランドの代表的な舞曲マズルカの趣をもち、吐息にも似たメランコリックな詩情をたたえた美しいワルツです。1846年から翌年にかけての作で、ショパンの生前に出版された最後のワルツです。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  5. 即興曲 第4番 嬰ハ短調 作品66(遺作)「幻想即興曲」/アルトゥール・ルービンシュタイン

    ショパンの作品で即興曲と名づけられた4曲のなかではもっとも早く、1834年頃にパリで書かれ ましたが、死後6年を経た1855年になって初めて出版されたので「第4番」とされ、出版する際に「幻想」と名づけられました。速いテンポで華麗に奏された後、甘美でおだやかな調べが挿入されますが、この旋律がとりわけ愛好されています。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  6. ワルツ 第6番 変ニ長調 作品64-1 「小犬のワルツ」 / フィリップ・アントルモン

    ショパンは19曲(未出版や手稿を紛失したものを含めると23曲) のワルツを残しています。「小犬のワルツ」の愛称で親しまれている軽快で愛らしいこの曲は、ショパン晩年の1846年から翌年にかけて書かれたもの。ジョルジュ・サンドの愛犬が、自分の尻尾にじゃれついてクルクル回る様子を見て、即興的に作ったといわれています。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  7. 夜想曲ノクターン 第20番 嬰ハ短調 (遺作) / ヤヌシュ・オレイニチャク

    (映画「戦場のピアニスト」オリジナル・サウンドトラックより)

    1830年の作と推定。当初「アダージョ」の曲名で1875年に出版され、現在の「レント・コン・グラ エスプレッショーネ」としたのはブラームスといわれています。心に染み入る美しい夜想曲です。ポーランド人のピアニスト、シュピルマンがナチス統治下のワルシャワのゲットーで生き残った体験をもとに描いたポランスキー監督の映画「戦場のピアニスト」(2002)の劇中で印象的に使われていました。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  8. ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58*~第4楽章 フィナーレ、 プレスト・マ・ノン・タント / グレン・グールド

    ショパンは3曲のピアノ・ソナタを残しています。最後の「第3番」は1844年夏にノアンで書かれた円熟極まる作品です。前作の「第2番」より規模も大きく、4楽章構成の壮麗なソナタに仕上がっています。第4楽章フィナーレは、ロンド形式で書かれており、力強く重厚かつ華麗で、熱情的な楽想にあふれています。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  9. プレリュード第4番 ホ短調 作品28-4/ 中村紘子

    1838年の秋、ショパンは恋人ジョルジュ・サンドとマヨルカ島へ転地療養に出かけます。その出発までに19曲、そしてマヨルカ島で5曲書き足し、さらに推敲を重ねて完成し、1839年に作品28として出版した「24のプレリュード」の第4曲にあたります。曲はラルゴ。抒情小品といった趣をもち、夜想曲に分類できそうな作品です。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  10. ワルツ 第5番 変イ長調 作品42 「大円舞曲」 / マレイ・ペライア

    ワルツは作曲家ショパンをパリの楽壇に送り出したジャンルとして特筆されます。ショパンは、弾くため聴くための芸術作品としてのワルツを、生涯を通じて書き続けました。このワルツ第5番は、3拍子のリズムにのせて、2拍子の旋律をうたう技巧的な曲で、1840年の作です。ショパンならではの、あふれる詩情が聴こえてきます。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  11. 夜想曲ノクターン 第1番 変ロ短調 作品9-1/ 中村紘子

    作品9として残された夜想曲は3曲、いずれも1830年~1831年の作で、1832年に出版されました。作品9の第1曲変ロ短調は、ショパンならではの、哀感ただよう甘美な旋律のなかに、ほのかな憂愁が表現されており、簡素ながら魅力あふれる作品として広く愛されています。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  12. マズルカ第38番 嬰へ短調 作品59-3/ ウラディミール・ホロヴィッツ

    ショパンのマズルカは、少年時代から死の年に至るまで書き綴られてきました。全部で58曲残されています。作品59に含まれる3曲のマズルカは、1845年6月から7月にかけて書かれました。この第38番は、さまざまな感情が豊かに表現された味わい深い曲です。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  13. バラード第1番ト短調 作品23/アルトゥール・ルービンシュタイン

    バラードは、中世の舞踏歌を意味し、のちに物語詩を意味するようになりますが、ショパンはこれをピアノに移し変えて、独自の形式と詩的な内容をもつ4曲のバラードを書いています。故国ポーランドの詩人ミツキェヴィチの詩に想を得たといわれています。この第1番は1831年ウィーンで着想され、1835年パリで完成した作品です。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  14. 子守歌 変ニ長調 作品57/アルトゥール・ルービンシュタイン

    初めは「変奏曲」と名づけて発表され、のちに「子守歌」と改題されました。「子守歌」の多くは 声楽のために書かれていますが、ショパンはピアノのために1曲だけ、「子守歌」を書いています。1844年に作曲、翌年改訂しています。短い序奏につづいて、民謡調の旋律が揺りかごの揺れを思わせるリズムにのせてやさしく奏されます。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  15. マズルカ第32番 嬰ハ短調 作品50-3/ ウラディミール・ホロヴィッツ

    マズルカ作品50の3曲は、いずれもパリ時代の円熟期の作品で、1841年から翌年にかけて書かれました。1842年に出版され、レオン・シミトコフスキに献呈されました。作品50の3曲目にあたる第32番は、ショパンが敬愛するJ.S.バッハへの尊敬の念と造詣の深さが明示されたような魅力あふれる作品となっています。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  16. ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53 「英雄」 / エフゲニー・キーシン(ライヴ演奏)

    ポロネーズはポーランドを代表する民族的な舞曲です。宮廷で盛装した騎士たちが王の前を行進したのが起源というポロネーズは、荘重で儀式的な趣を備えており、その音楽にはショパンの愛国心が注ぎ込まれています。全16曲中、ひときわ雄大な曲想をもつのが、円熟期の1842年に書かれた第6番です。「英雄」の愛称で親しまれています。

    Liner Notes:Akemi Yokobori

  17. 練習曲エチュード 第12番 ハ短調 作品10-12 「革命」 / フィリップ・アントルモン

    ショパンの練習曲は、指の練習のためばかりでなく、創意工夫がこらされた芸術性の高い曲ばかりです。1831年ショパンはパリへ向かう途中で、ワルシャワにロシア軍が侵攻した報に接し、祖国愛にかられ、痛切な心情をこめて書いた曲です。「革命」の愛称はそのことに由来。左手のための練習曲ですが、激情的でドラマチックな作品です。

    Liner Notes:Akemi Yokobori



アーティスト紹介
解説 横堀朱美

■中村紘子 (1944-2016)①⑨⑪

ジュリアード音楽院卒。1965年ショパン国際コンクール4位・ 最年少者賞受賞。1960年NHK交響楽団の世界一周公演に同行し世界デビュー。以来、リサイタル、オーケストラとの協演、室内楽など国内外で3800回を超える演奏会を行いながら、後年はコンクールの審査員や著述業など多彩な活躍を続けました。著書・録音多数。


■アルトゥール・ルービンシュタイン
(1887-1982)②⑤⑬⑭

ポーランド生まれ。10歳でベルリンに出てカール・ハインリヒ・バルトらに師事。11歳でベルリンにデビュー、以後世界各地に演奏活動を行い、1935年には初来日しました。1939年訪米中に大戦となり、以降アメリカに定住し1946年に帰化。1976年の引退まで欧米で精力的に活躍。絢爛たる技巧と流麗な演奏が至高の境地に至った20世紀最高の巨匠。


■ウラディミール・ホロヴィッツ
(1904-1989)③⑫⑮

キエフ音楽院で学び、1922年演奏活動開始。以後ヨーロッパ各地を巡演、1928年渡米、1930年メンゲルベルクとの協演で不動の地位を確立。名人芸的な技巧と華麗な表現で魅せました。1933年トスカニーニの娘と結婚、1944年アメリカに帰化。病気で活動を中止しましたが、1965年再起。ラフマニノフらの解釈には定評があ りました。

■仲道郁代(1963-)④

CHOPIN ミュンヘン国立音大に留学し、クラウス・シルデに師事。ジュネーヴ eye fafamebu 最高位、メンデルスゾーン1位、エリザベート王妃入賞ほか国内外のコンクールの受賞を重ね、以来、精力的な演奏活動を展開しています。これまで日本の主要オーケストラをはじめ、海外オーケストラとの協演も多数。ソロや室内楽、録音でも高い評価を得ています。


■フィリップ・アントルモン(1934-)⑥⑰

両親が音楽家の家庭に生まれ、幼少からマルグリット・ロンに師事、のちパリ音楽院でジャン・ドワイアンに師事。1953年ロン=ティボー・コンクールで最高位となり、同年デビュー。以降国際的に活躍。ラモーから現代まで広いレパートリーに実力派らしい演奏を行い、フランス近代の洗練された表現に定評があります。1970年代からは指揮活動も。


■ヤヌシュ・オレイニチャク(1952-)

ポーランド生まれ。現代有数のショパン弾きの一人でもあります。1970年ショパン・コンクール参加。その後パリに留学、ルービンシュタインらに師事したのち、国際的な活動を開始。これまでに数度、ショパン・コンクールの審査員に選出され、2015年の大会では本選審査委員を務めました。同年秋、ワルシャワ音楽院の教授に就任。(写真は映画「戦場のピアニスト」オリジナル・サウンドトラックより)

■グレン・グールド(1932-1982)⑧

カナダのトロント生まれ。1943年から10年間トロント音楽院でグェレーロに師事。14歳のときトロント交響楽団との協演でデビュー。1955年アメリカ、1957年にはカラヤンと協演してヨーロッパにもデビューし、各地で人気を得ました。1960年代からコンサート活動を引退し、独特の奏法と志向による録音に専念。多くの名盤を残しました。


■マレイ・ペライア(1947-)⑩

スペイン系の両親のもと、ニューヨークで生まれました。17歳のとマルボロ音楽祭でホルショフスキーらに教えを受け、1967年に同音楽祭でデビュー。1972年リーズ・コンクールにアメリカ人として初めて優勝し、国際的に名を知られ、以降は演奏会に、録音にと活躍。1990年代初頭に右手を痛めて演奏活動を中断。復帰後は指揮活動にも意欲的です。


■エフゲニー・キーシン(1971-)

モスクワ生まれ。12歳のときモスクワ音楽院での協奏曲デビューで神童と騒がれ、1986年チャイコフスキー・コンクールのオープニング・セレモニーで演奏し、広く国外にもその存在を知られます。1988年カラヤン指揮ベルリン・フィルとの協演で大成功を収め、以来、世界的に活躍。ロマン派やロシア近代作品の演奏には定評があります。

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