映画音楽思い出のスクリーン・ミュージック・ベスト40 ある愛の詩
思い出のスクリーン・ミュージック・ベスト40 ある愛の詩
商品名 思い出のスクリーン・ミュージック・ベスト40 ある愛の詩
発売日 2022年09月21日
商品コード MIKI-4275/6
JANコード 4571117356213
定価(税込) 2,420円
収録時間 DISC-1:68分14秒
DISC-2:68分43秒

「ひまわり」「男と女」「シェルブールの雨傘」「太陽がいっぱい」などフランシスレイ、ミシェル・ルグラン、ニーノ・ロータ、イエペスらが奏でる甘く、切なく、美しく心に残る映画音楽を収録した珠玉の名曲集。


解説付

収録内容



    【DISC-1】
  1. ひまわり 愛のテーマ
    作曲: Henry Mancini

    '70年公開、ビットリオ・デ・シーカ監督作品のイタリア映画で、イタリアを代表する名優ソフィアローレンとマルチェロ・マストロヤンニが主演する、第2次世界大戦によって引き裂かれてしまう夫婦の愛を描いた名作。有名なひまわり畑のシーンはウクライナで撮影されており、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、日本公開50周年記念で製作されたHDレストア版が今年'22年に劇場公開され、連日満員になるなど大きな話題を呼んだ。テーマ曲を作曲したヘンリー・マンシーニはアメリカの作曲家で、ほかに『ティファニーで朝食を』でオードリー・ヘプバーンが歌った「ムーン・リバー」や『酒とバラの日々』テーマ曲、『ピンクパンサー』テーマ曲など。自身の楽団を率いて多くの作品を残している。なお本CDに収録されているver.は、映画に使用されたマンシーニのオリジナル・スコアで演奏されている。

    【解説】McCOY N

    日本フィルハーモニー交響楽団 | 指揮:現田茂夫

  2. ある愛の詩
    作曲:Francis Lai

    '70年に公開された純愛映画の名作で『ラ・マンチャの男』『りんご白書』などで知られるアーサー・ヒラー監督作品。ライアン・オニール演じるハーバード大学に通う御曹司オリバーとアリ・マッグロー演じるイタリア系移民の娘ジェニーとの切ない身分違いの愛を描いている。フランス人作曲家フランシス・レイによるテーマ曲は同年のアカデミー音楽賞を受賞。後にアンディ・ウィリアムスが歌って全米9位のヒット曲にもなった。フランシス・レイは『男と女』『パリのめぐり逢い』『レ・ミゼラブル』などクロード・ルルーシュ監督作品の映画テーマ曲で知られる、フランスを代表する映画音楽作曲家のひとりである。

    【解説】McCOY N

    フランシス・レイ・オーケストラ

  3. 鉄道員
     作曲:Carlo Rustichelli | 編曲:東海林 修

    '56年に公開されたイタリア映画で、監督と主演はこの作品のほかに「わらの男」や「刑事」でも監督・主演を努めたピエトロ・ジェルミ。第2次世界大戦後のイタリア庶民の喜怒哀楽が交錯した生活を、鉄道機関士として30年以上働き厳格に生きてきたアンドレアとその家族の目を通して描いた作品。映画の終盤に流れる、爪弾くギターのイントロから始まる哀切漂うメロディー が胸を打つ。作曲のカルロ・ルスティケッリは1940年代から50年以上にわたり250本以上の映画音楽を手掛けたイタリアを代表する映画音楽作曲家で、『鉄道員』のほか『わらの男』『刑事』のテーマ曲「死ぬほど愛して」や『ブーベの恋人』、『友よ静かに死ね』などを手掛けている。

    【解説】McCOY N

    フィルム・グランド・オーケストラ

  4. 男と女
     作曲:Francis Lai

    '66年に公開されたフランス映画で、当時はまだ無名のクロード・ルルーシュ監督による恋愛映画。カンヌ映画祭でパルムドールを受賞、アカデミー外国語映画賞も受賞した。アヌーク・エーメ が主役の女性アンヌを演じ、今年'22年に91歳で亡くなったジャン=ルイ・トランティニャンが相手役の男性ジャン・ルイを演じた。「ダバダバダ」のスキャットでもよく知られるテーマ曲はフ ランシス・レイの作曲で、映画の本編では、出演者でもあるピエール・バルーと『愛と哀しみのボ レロ』『個人教授』でもテーマ曲を歌うニコール・クロワジールが歌っている。2020年にはルルーシュ監督作で、主演の2人が同じ役柄を演じ、53年後の再会を描いた『男と女 人生最良の日々』が公開され、'18年に亡くなったフランシス・レイの書下ろした楽曲が使用されている。

    【解説】McCOY N

    フランシス・レイ・オーケストラ

  5. パリのめぐり逢い
     作曲:Francis Lai

    『男と女』に続き'67年に公開されたクロード・ルルーシュ監督作品のフランス=イタリア合作映画。シャンソン歌手としても多くのヒット曲を持つイヴ・モンタンが主役の熟年TVレポーターを、若く美しい相手役をキャンディス・バーゲン、主役の妻を『若者のすべて』で注目されたアニー・ジラルドが演じ、大人の愛憎模様が描かれている。全編に漂う一筋縄ではいかない愛憎劇を見事な旋律で表現するフランシス・レイのジャジーな薫風とスリリングなアレンジがすばらしいテーマ曲である。

    【解説】McCOY N

    フランシス・レイ・オーケストラ

  6. 甘い生活
     作曲:Nino Rota

    '60年に公開されたフェデリコ・フェリーニ監督によるイタリア映画。主役の新聞記者をマルチェロ・マストロヤンニ、相手役のアメリカ人セクシー女優シルヴィアをアニタ・エクバーグが演じた。シルヴィアがドレスのままトレヴィの泉で水浴びするシーンが大きな話題となり、アニタはこの映画で一躍スターの仲間入りを果たした。テーマ曲は'51年にフェリーニと出会って以来、彼のほとんどの作品の音楽を手掛けているニーノ・ロータの作曲。本CDには、ニーノ・ロータの親戚であるマルチェロ・ロータ指揮による楽団の演奏が収録されている。

    【解説】McCOY N

    ニーノ・ロータ・グランド・オーケストラ

  7. 白い恋人たち
     作曲:Francis Lai

    '68年に公開された、同年フランスのグルノーブルで行われた第10回冬季オリンピックの記録映画『フランスにおける13日間』(原題訳)のテーマ曲で、日本公開時に「白い恋人たち」という邦題がつけられた。作曲はフランシス・レイ。クロード・ルルーシュ監督の下、約20名のスタッフと約60台のカメラで長時間にわたり撮影されたさまざまな映像が、ナレーションもストーリーもなく映し出され、全編にわたってメインテーマ曲が流れる構成は、今見てもお洒落で優美な映像作品である。テーマ曲はオーケストラver.のほかに、映画『男と女』でも歌ったピエール・バルーとニコール・クロワジールによるコーラスver.もある。本CDにはフランシス・レイ本人がアコーディオンを演奏した2009年パリ録音のver.が収録されている。

    【解説】McCOY N

    フランシス・レイ・オーケストラ | アコーディオン:フランシス・レイ

  8. シェルブールの雨傘
     作曲・編曲:Michel Legrand

    '64年に公開されたジャック・ドゥミ監督、ミシェル・ルグラン音楽によるフランスのミュージカル映画で、第17回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した作品。主な出演者はカトリーヌ・ド ヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ。戦争によって引き裂かれた2人が愛し合いながらも別々の道を歩もうとするストーリーを、一切のセリフ無し、全編音楽で描かれた当時としては画期的な映画であった。主題歌は世界中で大ヒットし、日本でも英語詩曲「I Will Wait For You」や、日本詩曲を含め多くの歌手によって歌われている。ミシェル・ルグラン自身も多くのレーベルに音源を残しているが、本CDには、本人指揮、モククワ・ヴィルトゥオージによる2010年録音のver.が収録されている。

    【解説】McCOY N

    演奏:モスクワ・ヴィルトゥオージ | 指揮:ミシェル・ルグラン

  9. みじかくも美しく燃え
     作曲:Wolfgang Amadeus Mozart | 編曲:Alain Goraguer

    モーツァルト作曲'67年に公開されたボー・ウィデルベルイ監督によるスウェーデン映画で、実際に起きた事件を元に映画化された作品。妻子ある軍人と若きサーカスの綱渡り芸人の悲しい愛の顛末が描かれる。綱渡り芸人を演じた女優ピア・デゲルマルクが第21回カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞した。映画では何曲かのクラシック曲が使用されているが、全編にわたり印象深く流れるモーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467」がこの映画のテーマ曲として引用されている。

    【解説】McCOY N

    ニュー・ポール・モーリア・グランド・オーケストラ | 指揮:ジェラール・ガンビュス

  10. 太陽がいっぱい
     作曲:Nino Rota

    '60年に公開されたアラン・ドロン主役のピカレスク・サスペンス映画。監督は『禁じられた遊び』『パリは燃えているか』などで知られるルネ・クレマン、音楽はイタリアの作曲家で『甘い生活』『ゴッドファーザー』のニーノ・ロータ。アラン・ドロンはこの作品で、世界的な映画スターとしての一歩を踏み出す。その後も、ルネ・クレマン監督は『生きる歓び』('61)『危険がいっぱい』('64)でアラン・ドロンに主役をオファーし、彼も起用に応えている。

    【解説】McCOY N

    ニーノ・ロータ・グランド・オーケストラ | トランペット・ソロ:ヤン・ハーズネル | 指揮:マルチェロ・ロータ

  11. 禁じられた恋の島
     作曲:Carlo Rustichelli | 編曲:石川皓也

    '62年公開のイタリア映画。監督は当時新人だったダミアーノ・ダミアーニで、主役には当時16歳のヴァニ・ド・メイグレを起用。父親が連れてきた後妻に恋心を抱いてしまう思春期の青年の、甘く切ない複雑な愛と苦悩を演じている。音楽は「鉄道員」「ブーベの恋人」などが大ヒットとなった作曲家カルロ・ルスティケッリで、この曲も自身の楽団やエリオ・ブルーノ楽団の演奏で大ヒットした。

    【解説】McCOY N

    レオン・ポップス・オーケストラ

  12. 死ぬほど愛して~「刑事」
     作曲:Carlo Rustichelli | 編曲:石川皓也

    '59年に公開されたピエトロ・ジェルミ主演・監督による映画『刑事』のテーマ曲。作曲はカルロ・ルスティケッリ。映画本編では、ピエトロ・ジェルミによって詩が付けられ、ルスティケッリの娘でもあるアリダ・ケッリが歌うver.が流れる。主演のピエトロが警部、犯人の恋人役をクラウディア・カルディナーレが演じ、事件にかかわるローマ市民の群像劇も交えながらその顛末が描かれている。日本でも大ヒットしたこの曲は、岸洋子の日本語ver.をはじめ、今陽子や辺見マリなど多くの日本人歌手にも歌われた。

    【解説】McCOY N

    レオン・ポップス・オーケストラ

  13. 個人教授
     作曲:Francis Lai

    '68年公開のフランス映画。監督は『お嬢さん、お手やわらかに!』『アイドルを探せ』などコメディータッチな作品を得意とするミシェル・ボワロン。ルノー・ヴェルレー演じる高校生が、年上の女性に恋をする青春恋愛映画の名作で、当時アラン・ドロン夫人だったナタリー・ドロンが魅力的な年上女性を演じている。テーマ曲は「白い恋人たち」「男と女」など多くの映画テーマ曲を生み出したフランシス・レイの作曲で、リズミカルでかつ抒情的な旋律が、主人公の青年の恋焦がれる気持ちと大人の恋愛への憔悴を思わせる名曲である。

    【解説】McCOY N

    フランシス・レイ・オーケストラ

  14. フェリーニのアマルコルド
     作曲:Nino Rota

    フェデリコ・フェリーニ監督による'73年公開のイタリア・フランス合作映画。第47回アカデミー賞外国語映画賞を受賞。舞台となっている北イタリアの小さな港町で起こる出来事は、フェリーニ自身の少年時代の回想録がモチーフになっており、主人公の少年が忍び寄るファシズムの気配を感じながら、大人の世界を垣間見しつつ成長してゆく姿が描かれている。どこか懐かしく甘美な旋律が奏でられるテーマ曲は、フェリーニ映画の音楽といえばもちろんの ニーノ・ロータが手掛けている。

    【解説】McCOY N

    ニーノ・ロータ・グランド・オーケストラ

  15. レ・ミゼラブル
     作曲:Francis Lai

    1862年にフランスの詩人・小説家ヴィクトル・ユーゴーによって書かれた「レ・ミゼラブル」は、1815~1833年のフランスを描いた名作で、日本題「あゝ無情」でも知られている。この原作は1917年以降何度も映画化されているが、本CDに収録されているのは'95年に公開されたクロード・ルルーシュ監督作品のテーマ曲。ルルーシュ監督は時代設定を第2次世界大戦時に変え、ナチスによる迫害と、共和派の蜂起によるパリ市街戦をノルマンディ上陸作戦に置き換えて描いている。テーマ曲はルルーシュ監督映画のほとんどを手掛けるフランシス・レイの作曲。本CDには自身の楽団による2009年パリ録音のver.が収録されている。

    【解説】McCOY N

    フランシス・レイ・オーケストラ

  16. 雨の訪問者
     作曲:Francis Lai

    '70年公開のフランス映画で『禁じられた遊び』『太陽がいっぱい』のルネ・クレマン監督作品。チャールズ・ブロンソン、マルレーヌ・ジョベールが主演するサスペンスで、謎の訪問者が訪れ、ひとりの女性が殺人事件に巻き込まれていくというストーリー。チャールズ・ブロンソンはこの映画や『さらば友よ』への主演をきっかけに国際派映画スターとしての地位を確立した。ロマンティックでありながらどこか不穏な旋律のテーマ曲は「男と女」「個人教授」など多くの映画音楽ヒット作を生み出したフランシス・レイの作曲である。

    【解説】McCOY N

    フランシス・レイ・オーケストラ

  17. おもいでの夏
     作曲・編曲:Michel Legrand

    '71年公開、代表作に『アラバマ物語』などがあるロバート・マリガン監督作品のアメリカ映画で、脚本のハーマン・ローチャーによる回顧録に基づいた「Summer of '42」が原題である。思春期の少年ハーミーと美しい人妻ドロシーとのひと夏の経験を描いた作品。美しいテーマ曲はフランス人作曲家ミシェル・ルグランによる楽曲で、第44回アカデミー賞作曲賞を受賞した。'50年代からすでに多くの映画音楽を手掛け、「シェルブールの雨傘」や『華麗なる賭け』の主題歌「風のささやき」などの傑作を手掛けていたミシェル・ルグランの代表曲にもあげられる人気曲である。

    【解説】McCOY N

    演奏:モスクワ・ヴィルトゥオージ | 指揮:ミシェル・ルグラン

  18. 道 (ジェルソミーナ)
     作曲:Nino Rota

    '54年に公開されたフェデリコ・フェリーニ監督の代表作『道』のテーマ曲が「ジェルソミーナ」である。『道』は貧しい家庭に育った純粋無垢な女性ジェルソミーナと、彼女を金で買った粗暴な大道芸人ザンパノの関係を中心に、合流したサーカス団の綱渡り芸人の青年との出会いなどを交え、フェリーニ監督が神、信仰、人生へのメッセージを込めた作品である。トランペットの独奏から始まり、軽快な弦楽パートを挟んで、ラストシーンを思わせるように静かに終わるニーノ・ロータ作曲のテーマ曲は、多くの観客の心に沁み入る名曲である。

    【解説】McCOY N

    ニーノ・ロータ・グランド・オーケストラ | トランペット・ソロ:ヤン・ハイクルダ | 指揮:マルチェロ・ロータ

  19. 世紀末の香り~「愛と哀しみのボレロ」
     作曲・編曲:Michel Legrand

    '81年公開のクロード・ルルーシュ監督によるフランス映画。ルドルフ・ヌレエフ(バレエ・ダンサー)、エディット・ピアフ(歌手)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮者)、グレン・ミラー(音楽家)の実在する4人の芸術家をモデルに、第2次世界大戦前後から撮影時に至る激動の時代に生きた芸術家たちの姿を描いた3時間を超える大作。サウンドトラックはフランス映画音楽の2大巨匠ミシェル・ルグランとフランシス・レイが手掛けている。この曲はミシェル・ルグランによるもので、映画の本編ではルグラン本人の演奏とジャッキー・ワードの歌唱によるver.も流れる。

    【解説】McCOY N

    演奏:モスクワ・ヴィルトゥオージ | 指揮:ミシェル・ルグラン

  20. ひき潮~「渇いた太陽」「道化師」使用曲
     作曲:Robert Maxwell

    '53年にロバート・マックスウェルが作曲し、翌年、イギリスの音楽家フランク・チャックスフィールドが自身の楽団で演奏したシングルが英米でヒットチャート1位となったムード音楽の名曲。映画作品のテーマ曲ではないが、'62年公開のポール・ニューマン主演映画『渇いた太陽』や'70年公開のフェデリコ・フェリーニ監督映画『道化師』などで使用されている。さらにその後詩もつけられて多くの歌手が歌っており、中でもライチャス・ブラザーズによるver.は'65年に全米シングル・チャート5位の大ヒット曲となった。フランク・チャックスフィールドは'95年に亡くなったが、本CDには遺志を引き継いだフランク・チャックスフィールド・オーケストラによる2015年録音のver.が収録されている。

    【解説】McCOY N

    フランク・チャックスフィールド・オーケストラ | 指揮:ピーター・ヘミング


    【DISC-2】
  1. 禁じられた遊び
     スペイン民謡 | 編曲:Narciso Yepes

    '52年公開のフランス映画。『太陽がいっぱい』『パリは燃えているか』などが代表作で、幅広いテーマで多くの作品を撮ったルネ・クレマン監督作品。第2次世界大戦でドイツ軍の攻撃により孤児となった5歳のフランス人少女を描いた作品で、全編にわたり流れるナルシソ・イエペスのギター演奏曲も印象深い、戦争の悲劇を描いた反戦映画の名作である。スペインのロルカ近郊で生まれ4歳で初めてギターに触れたナルシソは、バレンシア音楽院やマドリード音楽院でギターや作曲を学び、その後も研鑽を積んでいた。'52年パリで偶然知り合ったクレマン監督に映画の劇伴の依頼を受け、この映画の劇伴全編の編曲、構成、演奏を行った。本CDには'60年に録音されたナルシソ・イエペス本人による演奏が収録されている。

    【解説】McCOY N

    ナルシソ・イエペス (ギター)

  2. 夜霧のしのび逢い
     作曲:Jo Van Wetter | 編曲:石川皓也

    '63年に公開されたギリシャ映画で、港町ピレウスの娼館を舞台に客と娼婦をはじめ、さまざまな男女の恋愛模様が描かれる。アレコス・ガラノスの戯曲が原作で、彼自身による脚色の下、ヴァシリス・ジョルジアディス監督がメガホンをとった。日本での公開にあたり、クロード・チアリの演奏曲「ひとりぼっちの浜辺」が映画の主題歌として日本のみで起用され、タイトルも映画同様「夜霧のしのび逢い」と変えられて大ヒットした。オリジナルはロス・マヤスというベルギーのバンドの曲「La Playa」(浜辺)で、バンドリーダーのジョー・ヴァン・ウェッターの作曲。

    【解説】McCOY N

    レオン・ポップス・オーケストラ

  3. 第三の男
     作曲:Anton Karas

    '49年に公開されたイギリス映画で、'4-50年代にアメリカで起こった犯罪映画のブーム、いわゆるフィルム・ノワールの旗手として知られるキャロル・リード監督作品。第2次世界大戦直後、米英仏ソの四分割統治時代のウィーンを舞台に、友人の依頼でウィーンを訪れたアメリカ人作家と英国軍人、女優、そして“第三の男”が繰り広げるサスペンス。冒頭に流れるアントン・カラスによるツィターで演奏される軽快なテーマ曲が印象深く、その後日本ではビール会社のCM曲などにも使用され、おなじみのヒット曲になった。本CDに収録されているのは、映画使用曲と同じアントン・カラス本人による'62年に日本で録音されたver.である。

    【解説】McCOY N

    アントン・カラス(ツィター)

  4. ブーベの恋人
     作曲:Carlo Rustichelli | 編曲:東海林 修

    '63年に公開されたイタリア・フランス合作映画で、イタリアのコメディー映画の巨匠ルイジ・コメンチーニ監督作品。カルロ・カッソーラの同名小説が原作で、主演は『刑事』『山猫』のクラウディア・カルディナーレ、相手役を『ウエスト・サイド・ストーリー』のジョージ・チャキリスが演じ、第2次世界大戦直後の混乱の中で引き裂かれてしまう恋人2人の物語が描かれる。テーマ曲は「鉄道員」「禁じられた恋の島」など多くの映画音楽で知られるカルロ・ルスティケッリ作曲で、日本でも日本語詩ver.を伊東ゆかりやザ・ピーナッツが歌い話題になった。

    【解説】McCOY N

    フィルム・グランド・オーケストラ

  5. 地下室のメロディー
     作曲:Michel Magne

    '63年公開のフランス映画で、アラン・ドロン、ジャン・ギャバンのフランス2大スター共演によるカジノ襲撃計画の顛末を描いたスリリングなクライム・サスペンス。監督は『ヘッドライト』『冬の猿』の名匠アンリ・ヴェルヌイユ。映画同様スリリングなモダン・ジャズ風の演奏でシーンを盛り上げる音楽は『夜の訪問者』『冬の猿』の音楽を手掛けたミシェル・マーニュの作曲である。

    【解説】McCOY N

    レオン・ポップス・オーケストラ

  6. テリーのテーマ~「ライムライト」
     作曲:Charles Chaplin

    '52年に公開された、チャールズ・チャップリンが製作し、監督・脚本・音楽・主演を務めたアメリカでの最後の作品。長編映画としては初めて素顔で出演した作品となり、同じく喜劇王の異名をとったバスター・キートンも俳優として起用され、初の共演作となった。かつてはイギリスで一番といわれた飲んだくれの中年道化師カルヴェロと美しいバレリーナ、テリーとの悲しい恋を描いている。チャップリンは映画『街の灯』以降、すべての自身の作品の音楽を手掛けているが、中でも『モダンタイムス』の「スマイル」、『伯爵夫人』でペトゥラ・クラークが歌った「ディス・イズ・マイ・ソング」と並んで、『ライムライト』のために作曲した「テリーのテーマ」は後に「エターナリー」という曲名でも広く親しまれる名曲となっている。

    【解説】McCOY N

    フランク・チャックスフィールド・オーケストラ | 指揮:ピーター・ヘミング

  7. ニュー・シネマ・パラダイス 愛のテーマ
     作曲:Andrea Morricone | 編曲:丸山貴行

    '88年に公開されたイタリア・フランス合作映画で、監督はこの映画が代表作となり、その後『海の上のピアニスト』『マレーナ』などが注目されたジュゼッペ・トルナトーレ。中年の映画監督が少年時代を回想する形で、シチリア島の小さな村を舞台に映画に魅せられた少年と年老いた映写技師との交流を軸に、少年が青年になってからの恋愛などが描かれている。第62回アカデミー賞外国語映画賞受賞作。音楽は『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』や『アンタッチャブル』など多くの映画音楽で知られる巨匠エンニオ・モリコーネが手掛けているが、この「ニュー・シネマ・パラダイス 愛のテーマ」は息子のアンドレアが作曲している。本CDにはアナスタシア・チェボタリョーワによるヴァイオリンver.が収録されている。

    【解説】McCOY N

    アナスタシア・チェボタリョーワ(ヴァイオリン) | アンドレイ・ジェルトノーク(ピアノ)

  8. ロミオとジュリエット
     作曲:Nino Rota

    16世紀に書かれたシェイクスピアの傑作戯曲「ロミオとジュリエット」は'36年に初めて実写映画化されて以来何度も映画化されているが、うち最も成功した'68年公開のフランコ・ゼフィレッリ監督によるイギリス・イタリア合作映画のテーマ曲。レナード・ホワイティングがロミオ、オリビア・ハッセーがジュリエットを演じた。フランコ・ゼフィレッリ監督は他に『ブラザー・サンシスター・ムーン』『チャンプ』などでも知られる。音楽はフェリーニ監督作品や『ゴッドファーザー』で知られ、死後に交響曲などの純音楽も注目された巨匠ニーノ・ロータが手掛けている。

    【解説】McCOY N

    ニーノ・ロータ・グランド・オーケストラ | ギター・ソロ:ルーカス・ヘイン | 指揮:マルチェロ・ロータ

  9. エデンの東
     作曲:Leonard Rosenman

    アメリカの文豪ジョン・スタインベックが'52年に発表した長編小説を原作に、'55年にエリア・カザン監督、ジェームス・ディーン主演で公開されたアメリカ映画。旧約聖書のカインとアベルの兄弟の物語を下敷きに、孤独な青年の苦悩や家族との確執が描かれている。音楽はレナード・ローゼンマンで、大学教授の時に教え子だったジェームス・ディーンの紹介で、エリア・カザン監督より音楽制作を依頼された。以降『理由なき反抗』『ミクロの決死圏』など多くの映画音楽を手掛けている。

    【解説】McCOY N

    日本フィルハーモニー交響楽団 | 指揮:現田茂夫

  10. ボーン・フリー~「野生のエルザ」
     作曲:John Barry

    '60年に刊行された、実在の野生ライオンの育成を記録したジョイ・アダムソンの原作「ボーン・フリー」をもとに'66年に公開されたジェームズ・ヒル監督作品のイギリス映画。夫が連れ帰った3頭の仔ライオンを妻ジョイが人工飼育で育てあげ、3頭のうち残った1頭のエルザを野生に戻す決意をし、奮闘する夫妻の姿を描いた作品。音楽は「007 ジェームス・ボンド」シリーズで知られるジョン・バリーが手掛け、テーマ曲「ボーン・フリー」は第39回アカデミー賞で作曲賞、歌曲賞をダブル受賞した。歌曲版はドン・ブラックが作詩、マット・モンローがヴォーカルを担当している。

    【解説】McCOY N

    日本フィルハーモニー交響楽団 | 指揮:竹本泰蔵

  11. モア~「世界残酷物語」
     作曲:Riz Ortolani、Nino Oliviero | 編曲:Richard Hayman

    '62年公開のイタリア映画『世界残酷物語』は、さまざまな世界の変わった風習や奇習、風俗をフィルムに収めたドキュメンタリー作品。監督はこの作品が代表作となるグァルティエロ・ヤコペッティで、ドキュメンタリー風ながらかなりの脚色も加えた異色作品である。テーマ曲「モア」は「ブラザー・サン シスター・ムーン』や『スキャンダル』など、後に多くの映画音楽を作曲しているイタリアの作曲家リズ・オルトラーニが初めて手掛けた映画音楽作品で、ニーノ・オリヴェイロとの共作曲。映画の内容と対照的な美しい旋律は、シングル・カットされるなど日本でもヒットし、アカデミー賞作曲賞にもノミネートされた。

    【解説】McCOY N

    日本フィルハーモニー交響楽団 | 指揮:竹本泰蔵

  12. ララのテーマ~「ドクトル・ジバゴ」
     作曲:Maurice Jarre

    '65年公開のアメリカ・イタリア合作映画。監督は『戦場にかける橋』『アラビアのロレンス』などを手掛けたイギリスの巨匠デヴィッド・リーン。原作はロシアの作家ボリス・パステルナークの同名小説で、オマー・シャリフが主役のユーリを、美しい娘ラーラをジュリー・クリスティーが演じ、愛し合いながらもロシア革命と第1次世界大戦によって運命を翻弄される男女を描いている。劇中にも重要なアイテムとして登場するロシアの楽器バラライカの音色が美しい音楽は、フランスの作曲家モーリス・ジャールが手掛けており、代表作『アラビアのロレンス』に続いて第38回アカデミー賞作曲賞を受賞している。

    【解説】McCOY N

    フランク・チャックスフィールド・オーケストラ | 指揮:ピーター・ヘミング

  13. タラのテーマ ~「風と共に去りぬ」
     作曲:Max Steiner

    アメリカの南北戦争をテーマに、南部の女性スカーレット・オハラの激しい半生を綴ったマーガレット・ミッチェル原作の同名小説の映画化作品。'39年に公開されたヴィクター・フレミング監督作品で、スカーレット・オハラ役をヴィヴィアン・リー、レット・バトラー役をクラーク・ゲーブルが演じ、第12回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞など10部門を受賞した。タラは主人公スカーレットの故郷であり物語の舞台となったジョージア州の架空のプランテーション。作曲はオーストリア出身のマックス・スタイナーで、『男の敵』などで3度のアカデ ミー賞作曲賞を受賞している。ほかに『カサブランカ』『避暑地の出来事』などの映画音楽作品がある。

    【解説】McCOY N

    日本フィルハーモニー交響楽団 | 指揮:沼尻竜典

  14. 酒とバラの日々
     作曲:Henry Mancini | 編曲:萩原秀樹

    '62年公開のアメリカ映画で、ブレイク・エドワーズ監督作品。ジャック・レモンとリー・レミックが演じる夫婦がアルコールに溺れていく姿を描いた社会派ドラマ。ヘンリー・マンシーニが手掛たテーマ曲は劇中ではコーラスで歌われ、第35回アカデミー賞歌曲賞を受賞。'63年アンディ・ウィリアムスがカバーしたシングルやアルバムが大ヒットした。ほかマンシーニ自身の楽団やオスカー・ピーターソンによる演奏でジャズ、イージー・リスニングの名曲としても広く親しまれている。

    【解説】McCOY N

    スクリーン・ポップス・オーケストラ

  15. 慕情
     作曲:Sammy Fain

    '55年公開のアメリカ映画。監督は『陽はまた昇る』、『回転木馬』など多くの作品を残しているヘンリー・キング。香港を舞台に、第2次世界大戦直後の混乱の中で出会い恋に落ちるも、さまざまな困難と新たな戦争の影に翻弄される男女が描かれ、ジェニファー・ジョーンズとウィリアム・ホールデンが主役の男女を演じる。エンディングで歌われる、ポール・フランシス・ウェブスター作詩、サミー・フェイン作曲のテーマ曲は、第28回アカデミー賞歌曲賞を受賞。同コンビが手掛けた'53年公開の映画『カラミティ・ジェーン』の主演、ドリス・デイが歌う「秘めたる恋」も第26回アカデミー賞歌曲賞を受賞している。

    【解説】McCOY N

    ロンドン・フィルム・フェスティヴァル・オーケストラ

  16. ムーン・リバー~「ティファニーで朝食を」
     作曲:Henry Mancini

    アメリカの小説家トルーマン・カポーティの同名小説の映画化で'61年に公開された。監督はブレイク・エドワーズで後に『酒とバラの日々』や『ピンクパンサー』シリーズなどを手掛けている。主役のホリーを演じたオードリー・ヘプバーンの代表作としてだけでなく、彼女自身の歌うテーマ曲「ムーン・リバー」も大人気となり、第34回アカデミー賞歌曲賞を受賞した。作曲はヘンリー・マンシーニで作詞はジョニー・マーサー。ヘンリー・マンシーニはこの曲について「オードリーのために書かれた曲で、彼女以上にこの曲を完璧に理解した人はいなかった」と著書に記している。オリジナル・サウンドトラックに収録されたヘンリー・マンシーニ楽団によるインストver.も米シングル・チャート最高位11位となるヒット曲になり、グラミー賞でも最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞を受賞した。

    【解説】McCOY N

    フランク・チャックスフィールド・オーケストラ | 指揮:ピーター・ヘミング

  17. いそしぎ
     作曲:Johnny Mandel

    '65年公開のアメリカ映画。監督はヴィンセント・ミネリで、ほか代表作は『巴里のアメリカ人』『恋の手ほどき』など。当時実の夫婦でもあったエリザベス・テイラーとリチャード・バートンによる結婚後初の共演作でもあった。テーマ曲「いそしぎ」の原題は“The Shadow of Your Smile (君の微笑みの面影) ”で、作曲は後に『さらば冬のかもめ』『M★A★S★H』などの映画音楽を手掛けるジョニー・マンデル。ポール・フランシス・ウェブスターにより詩がつけられ、アンディ・ウィリアムスが歌い、第38回アカデミー賞歌曲賞を受賞した。グラミー賞でも最優秀楽曲賞を受賞。バーブラ・ストライサンド、竹内まりやなど数多くのアーティストによってカバーされている。

    【解説】McCOY N

    フランク・チャックスフィールド・オーケストラ | 指揮:ピーター・ヘミング

  18. サウンド・オブ・サイレンス~「卒業」
     作曲:Paul Simon | 編曲:西沢明

    大学を卒業し帰郷したベン役をダスティン・ホフマンが、幼なじみのエレーン役をキャサリン・ロスが演じる'67年公開のアメリカ青春映画。監督は映画のほかブロードウェイ・ミュージカルでも活躍したマイク・ニコルズ。映画のラストシーンで印象的に流れる主題曲「サウンドオブサイレンス」はサイモン&ガーファンクルの'64年にリリースされた1stアルバムに収録されていた曲だが、その後ラジオで火が付き、'65年9月にバンド・アレンジを加えたver.が翌'66年にシングル・チャート1位の大ヒット曲となり、続いてこの映画にも使用された。日本でも映画公開された'68年にシングル・チャート1位となる大ヒット曲になった。

    【解説】McCOY N

    レオン・グランド・オーケストラ

  19. 追憶
     作曲:Marvin Hamlisch

    '73年公開のアメリカ映画で、監督のシドニー・ポラックはほかに『トッツィー』『愛と哀しみの果て』などで知られる。第2次世界大戦前から後に至る激動の時代を背景に、信条も性格も違う男女2人の愛の変遷を描いている。主役の男女、小説・脚本執筆家であるケイティ役をバーブラ・ストライサンドが、軍人役をロバート・レッドフォードが演じた。バーブラが歌う「追憶」は第46回アカデミー賞歌曲賞を受賞、作曲のマーヴィン・ハムリッシュは『コーラスライン』などのミュージカル、『スティング』などの映画音楽の他、テレビ番組など多くの演劇、映画、放送に関わる作品の音楽を手掛けている。

    【解説】McCOY N

    ロンドン・フィルム・フェスティヴァル・オーケストラ

  20. ゴッドファーザー 愛のテーマ
     作曲:Nino Rota

    アルバムの終幕を飾るのは'72年公開、フランシス・フォード・コッポラ監督によるアメリカ映画『ゴッドファーザー』の主題曲。原作はマリオ・プーゾによるシシリアン・マフィアを描いた'69年刊行の同名小説で、映画化に際して彼も脚本で参加している。ゴッドファーザーをマーロン・ブランドが演じ、その息子役をアル・パチーノが演じる。'74年公開の続編『ゴッドファーザーPARTII』ではロバート・デ・ニーロが若きゴッドファーザーを演じた。第45回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、脚色賞を受賞。音楽はフェリーニ監督作品他多くの映画音楽や交響曲を作曲したニーノ・ロータで、『ゴッドファーザーPARTII』公開時の第47回アカデミー賞で作曲賞を受賞した。

    【解説】McCOY N

    ニーノ・ロータ・グランド・オーケストラ | 指揮:マルチェロ・ロータ

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